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指紋認証トークン「FingerQuick」(上)。写真下はワンタイムパスワード生成器(カード電卓サイズ)
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日本電信電話株式会社とNTTエレクトロニクス株式会社(以下、NEL)は6月8日、指紋認証トークン「FingerQuick」を開発し、NELが6月10日より販売開始すると発表した。製品には、基本型の「FQB-10」とワンタイムパスワード型「FQO-10」が用意されており、NELによる直販のほか、前者は東和電気株式会社、後者は丸紅ソリューション株式会社を通じて販売される。価格はオープンだが、トークン1つあたり2万円台からを想定しており、数量がまとまった場合はディスカウントもあり得るとのこと。対応OSは、Windows XP/2000/Me/98 SE。
FingerQuickはUSB接続型の指紋認証トークン。あらかじめパスワードを登録しておき、指紋認証後にPCに対してそれをはき出す仕組みだが、PCにはUSBキーボードとして認識されるため、特別なデバイスドライバは必要ない。パスワードは最大63文字まで登録でき、人間が覚えきれないような長いパスワードを設定して、セキュリティレベルを高く保つことが可能。またこうした指紋認証などのバイオメトリクス技術を利用すれば、パスワード(のみ)やICカードを利用した時に懸念される、紛失、盗難、貸し借りなどの問題が発生せず、確実な認証を行えるという。
データ保持面では、FingerQuickの内部に格納されるパスワードなどは暗号化されており、指紋照合を行わなければ復号化されない。加えて、指紋照合は同製品内で行われるため、指紋データをPCやシステム側に出さなくても利用できるとのこと。
FQB-10では、10指それぞれに12パスワードまで割り当て可能で、人差し指ではWindowsログオン、中指ではWordファイルの暗号化解除、といったように、利用する指を変えて異なるアプリケーションに対応させることもできる。
FQO-10は、米Secure Computing Corporationの認証サーバーに対応したワンタイムパスワード生成機能を内蔵したUSBトークンで、同社の製品とあわせて利用することにより、指紋認証とワンタイムパスワードを連携させたソリューションを構築できる。10指のうち1指分をワンタイムパスワード(1つ)に割り当てて利用でき、また残りの9指分には、FQB-10同様、固定されたパスワードを格納可能なため、1つのデバイスでワンタイムパスワードと固定パスワードの使い分けも行える。
NELでは、セキュリティ強化に関心を持つ企業を対象に販売活動を行い、NTTグループを含めて年間3万個、6億円程度の売上を見込んでいる。
■ URL
日本電信電話株式会社
http://www.ntt.co.jp/
NTTエレクトロニクス株式会社
http://www.nel.co.jp/
プレスリリース
http://www.nel.co.jp/new/information/2004_06_08.html
( 石井 一志 )
2004/06/08 18:47
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