Enterprise Watch
最新ニュース

NetScreen製品のIPv6対応で、対シスコへの体制を整えるジュニパー


代表取締役社長、大須賀雅憲氏
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は6月30日、セキュリティアプライアンス「NetScreenシリーズ」用OSのIPv6対応版「NetScreen Screen OS 5.0」を発表した。このIPv6対応版のScreen OSは、NetScreen-5XT/204/208/500/5200の各製品に対応しており、5200以外の各製品用は同日より、5200用は7月より販売される。同社とサポート契約を結んでいるユーザーは、無償でアップグレードが可能。

 同社では、MPLSベースで統一ネットワークを構築する「インフラネット」構想のもと、コア/エッジルータなどの各種製品をリリースしてきた。こうしたルータで使用されている同社製OS「Junos」はすでにIPv6への対応を済ませているため、同社の主力製品「Mシリーズ」「Tシリーズ」「Eシリーズ」などのルータ製品は、IPv6対応製品として提供されている。

 今回発表されたScreen OSは、これらをカスタマーエッジで補完するNetScreen製品で使用されるもので、従来の同社製IPv6対応製品と相互運用性を持っている。つまり、ファイアウォールやIPsec VPNなどの機能を持ったNetScreen製品をあらたにIPv6対応とすることで、同社は提供できるソリューションの幅をよりエンドポイントに近い部分まで広げることが可能になったのである。これに関して米Juniper Networksのアジア太平洋地区エンジニアリング担当副社長、アンドリュー・カワード氏は「Screen OSのIPv6正式サポートにより、ユーザーからサービスプロバイダまでのエンドトゥエンドでIPv6対応を実現できた」とその意義を語る。

 現在のIPv6導入はまだキャリアが中心で、企業でその環境は普及しているといいがたい。しかし、同社では来るべきIPv6時代をにらみ、対応製品のラインアップを広く持つことで、将来の移行に関して顧客企業の支援を行うとともに、新たな市場を狙っていく考えだ。ジュニパーの代表取締役社長、大須賀雅憲氏は、業界のトップベンダであるシスコシステムズを引き合いに出し、「対抗する体制を整えた」と強気の姿勢を見せた。

 なお、NetScreenシリーズには小規模環境向けのNetScreen 5GTもあるが、同クラスのNetScreen 5XTでカバーできると想定されることから、今回のIPv6対応は見送られた。今後に関しては、「市場の状況を見ながら考慮する」(同社)とのこと。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2004/pr-040630.html


( 石井 一志 )
2004/06/30 20:37

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.