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米Aventail、中小企業向けの低価格SSL-VPNアプライアンス


Aventail EX-750

アジア太平洋ディレクタ、リチャード・ティン氏
 米Aventail Corporation(以下、アベンテイル)は7月20日、エントリークラスのSSL-VPNアプライアンス「Aventail EX-750」と、同社が提供しているSSL-VPN用プラットフォームソフトウェアの最新版「Aventail ASAP(Anywhere Secure Access Policy) 7.2」を、7月下旬より提供開始すると発表した。ASAP 7.2を搭載したEX-750の価格は、同時25ユーザーの製品で118万円から。

 EX-750は、同社が提供しているアプライアンス「Aventail EX-1500」の廉価版にあたり、主に中小企業や企業内の1部門、リモートオフィスなど、従来よりも小規模な環境での利用を想定した製品。同時接続ユーザー数が最大で50ユーザーまでに制限されること、2台以上の製品を用いた冗長化と負荷分散の機能が省かれていること、の2点を除けば、EX-1500と同等の機能を持ち、20~30%安価な価格で提供されるという。

 標準のアクセス機能としては、Webポータル画面を利用して、クライアントレスでWebアプリケーションとWindowsファイル共有を行える「ブラウザアクセス」を搭載。またオプションにより、「Aventail OnDemand」「Aventail Connect」の両アクセスも利用できる。このうち、Aventail OnDemandはアプライアンスから軽量のJavaアプレットをダウンロードして接続するアクセス方法で、Windowsをはじめ、Linux、Macintosh、Pocket PCなどで使用可能。Lotus Notes、Outlook、SAP、MetaFrameといったクライアント/サーバー型のアプリケーションを利用できるが、UDPベースのアプリケーションなど、一部対応できないものもある。

 Aventail ConnectはWindowsクライアント用のソフトウェアで、事前のインストールが必要となるが、UDPを利用するアプリケーションを含め、さまざまなアプリケーションに対応する。また、Zone LabsやSygateなどのパーソナルファイアウォールソフト、Symantecのウイルス対策ソフトとの連携により、これらのソフトが起動していない状態でのアクセスを認めない「エンドポイントコントロール機能」も搭載している。

 一方、ともに発表されたASAP 7.2では、NTLM認証に対応するなど、「エンドユーザーがSSL-VPNにアクセスしやすくなるという点で重要」(アベンテイルのアジア太平洋ディレクタ、リチャード・ティン氏)というSSO(シングルサインオン)の機能が拡張されたほか、データ保護を強化するオプション機能「Aventail Secure Desktop(ASD)」が利用できるようになった。

 このASDは、PC内に暗号化された仮想的な保管庫とワークスペースを作成し、通信したすべての内容を仮想空間に格納する機能。通信終了後に仮想空間は破棄される。同社が通常提供しているキャッシュコントロール機能でも、ブラウズ履歴やクッキーの削除、IEのオートコンプリートパスワードの削除など、競合製品と比べて多くの機能を提供しているとのことだが、ASDを利用するとセッション中のすべてのデータを保護できるため、外出先のキオスク端末からの利用などの場合でも、より高いセキュリティを確保できるとしている。ASDの初期導入価格例は、同時50ユーザーのEX-1500の場合で、87万円から。



URL
  米Aventail Corporation(日本語)
  http://jp.aventail.com/


( 石井 一志 )
2004/07/20 17:27

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