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ジュニパー、“簡単に導入できる”中小企業向けSSL-VPNアプライアンス


NetScreen Remote Access 500シリーズ

RA500シリーズの利用イメージ

技術本部 SEリーダー セキュリティプロダクト担当 小澤嘉尚氏
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は、中小規模環境向けのSSL-VPNアプライアンス「NetScreen Remote Access 500 シリーズ」(以下、RA500)3製品を、8月17日に発売した。価格はオープンだが、「推定で90万円を切る程度から」(同社)とのこと。

 ジュニパーの技術本部 SEリーダー セキュリティプロダクト担当の小澤嘉尚氏が引き合いに出した米Infonetics Researchの調査では、「2002年にリモートアクセスVPNを採用していた企業は、小規模環境で全体の24%、中規模で37%、大規模で60%であったが、2007年にはそれぞれ55%、74%、90%になると予測されている」という。中・大規模だけでなく小規模でも市場の伸びが見られるのだが、今までジュニパーでは中小規模にフォーカスしたSSL-VPN製品を提供していなかった。

 そこで同社では新たに、中小企業や大企業の支店・事業所などでの使用を想定したRSA500を市場へ投入する。これは、従来同社が提供してきた「NetScreen Secure Accessシリーズ」(以下、SAシリーズ)の下位レンジを補完する製品だ。同時10ユーザーまでの「Remote Access 510」、同時25ユーザーまでの「同 525」、同時50ユーザーまでの「同 550」と、アクセス想定規模にあわせて3製品がラインアップされているほか、導入企業の規模拡大などにより、ユーザー数の拡張が必要になった場合のために、たとえばRemote Access 510から同 550へ、というようなアップグレードパスも用意されているという。

 RA500の機能面では、既存のSAシリーズよりも小規模の環境を対象としているため、相違点がいくつか見られる。個別のクライアント/サーバー型アプリケーションごとにトンネルを作成する「Secure Application Manager」には対応しておらず、SAシリーズほどにはアクセス制御ができない。また、クラスタ構成やWebサーバーに対するシングルサインオン機能、といった部分も省かれている。

 しかしこれらの省略された部分は、大規模環境で必要とされる機能であり、今回の新製品がターゲットとしているところでは必要ない、と判断されたために除かれたものだ。「より簡単にSSL-VPNを使ってもらうために機能を絞った」(ET本部 システムエンジニア 乙部幸一朗氏)RA500では、その代わりに、上位製品ではオプションである「Network Connect」を標準でバンドルしている。このオプションではネットワークレベルでのフルアクセスを行えるため、アプリケーションごとの細かな運用を考慮する必要がなく、計画から実運用開始までわずか数日、という迅速な導入が可能という。

 さらに、従来製品同様クライアントレスを実現した。Webブラウザがあれば社内ネットワークにアクセスでき、Windows 2000とIE 5.5/6.0、Windows XPとIE 6.0の各環境に対応する。加えて、テンポラリファイルやダウンロードファイルをログアウト時に削除する「キャッシュクリーナー」機能、セッション開始時やセッション中にクライアントPCをチェックし、セキュリティ状態が不適と判断されたものを接続させない「ネイティブホストチェッカー」機能なども備えている。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2004/pr-040816.html


( 石井 一志 )
2004/08/18 00:17

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