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ウェブセンス、即時アップデート機能を追加したフィルタリングソフト新版


Websense Enterprise v5.5の画面イメージ
 ウェブセンス・ジャパン株式会社(以下、ウェブセンス)は11月2日、企業向けフィルタリングソフト「Websense Enterprise」の最新版として、「Websense Enterprise v5.5」の日本語版を発売した。

 Websense Enterpriseは、従業員による業務外のWeb閲覧などを制限し、生産性やセキュリティの向上を図るソフトウェア。基本コンポーネントのほかに、通常の分類とは別の角度から、生産性/帯域幅/セキュリティの各要素に影響を与えるWebサイトをカテゴライズした3つの「プレミアムグループ(PG)」オプション、許可されていないアプリケーションのクライアントPC上での動作やネットワーク通信を制限する「Websense Enterprise Client Policy Manager(CPM)」、インスタントメッセージング(IM)の統合管理を実現する「IM Attachment Manager」、などの追加コンポーネントもあわせてラインアップしている。


リアルタイム・セキュリティ・アップデートの概念
 今回の新バージョンでは、CPMとセキュリティPGにアドオンする新要素「リアルタイム・セキュリティ・アップデート(RTU)」を備えたことが、一番大きな強化点だという。これがアドオンされるCPMは、前述のように不正なアプリケーションの実行を制御するツールで、ユーザーが万一トロイの木馬やウイルスに感染したとしても、その実行を禁止できるため、被害は最小限度で済む。また、セキュリティPGを利用しているユーザーは、悪質なコードが埋め込まれたWebサイトへのアクセスが遮断されるため、その影響から逃れることができる。

 しかし、実行されようとするアプリケーションや閲覧されようとするWebサイトが本当に不正なものかどうかという判断は、参照するデータベースが最新でないと意味をなさない。Websense Enterpriseでは通常、ユーザーのローカル環境に設置されたサーバーのデータベースを参照するのだが、従来、このサーバーは1日1回程度の頻度でしかデータベース更新を行っていなかったという。もちろん、ウェブセンス側では随時マスターデータベースの更新を行っており、ここに時差が生じることで、セキュリティ上のリスクが生まれてしまっていた。

 そこで同社では、マスターデータベースが更新され次第、強制的にローカルサーバーのデータベースも更新するRTUをオプションとして提供し、「時差」を最小限にする運用を可能にした。「セキュリティ上の脅威が発生してから、ウイルス対策ベンダより定義ファイルが提供されるまでには平均5~7日かかっている。当社ではこれまでも最大24時間以内でこれをブロックしてきたが、今回はほぼリアルタイムな防御を提供できる」(日本法人の代表代理、小林敏知氏)。RTUの価格は、企業向けの場合で5万円(50ユーザー)から。

 またCPMでは1台のPC内に複数のフィルタリングポリシーを設定できるようにしたため、同じPCであっても、使用するユーザー、場所などによって異なるポリシーを適用できるようになった。この機能を利用すると、たとえば、会社では禁止されているIMを自宅では使用する、ということが可能になる。

 一方、Websense Enterpriseでは、「アダルト」「スポーツ」など、Webサイトが属する各カテゴリが、「セキュリティリスク」「生産性の損失」などに分類されている。しかし、企業によってはこうした分類がウェブセンス側の定義と異なることもあるため、固定されていた分類を、ユーザーが独自にカスタマイズできるようにした。

 さらに、「コミュニケーションのリアルタイム性を強化するため」(小林氏)、管理ツール上の緊急告知アイコンによって、緊急告知やパッチ情報などをユーザーに速やかに伝達可能な仕組みを新設。また検索時に、一般的なキーワードで検索しても不適切なイメージが表示されてしまうことがあったため、これをを防ぐ機能を搭載した。現時点では、GoogleとYahoo!に対応しているという。


米Websenseのマーケティング担当副社長 レオ・コール氏
 なお、米Websenseのマーケティング担当副社長、レオ・コール氏はWebsense Enterpriseの意義について、「ファイアウォールやウイルス対策のソリューションを補完するもの。スパイウェアやフィッシング、悪質なモバイルコードなどは、これらだけでは防げない」と説明した後、「今日の業務環境には、IMやメール、ファイル共有など生産性の高いツールが多くあるが、危険も存在する。従業員や資産を守る新たなソリューションが必要だ」と述べ、同社製品の有用性を強調していた。




URL
  ウェブセンス・ジャパン株式会社
  http://www.websense.co.jp/

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( 石井 一志 )
2004/11/02 17:15

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