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富士通、運用管理ミドルウェアのクライアントセキュリティ管理製品


 富士通株式会社は、統合運用管理ミドルウェア「Systemwalker V12」シリーズの新製品として、情報漏えい対策のセキュリティ管理製品「Systemwalker Desktop Keeper」、「Systemwalker Desktop Encryption」を11月4日より発売している。


クライアントPCからの情報漏えいを防止するSystemwalker Desktopシリーズ3製品

富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 運用管理ソフトウェア事業本部 運用管理ソフトウェア事業部 第一開発課長 大西真吾氏
 1995年から発売しているSystemwalkerシリーズは、これまで2004年9月までに23600社、364万ユーザーへ提供されている統合運用管理ミドルウェア。このうち「Systemwalker Desktop」シリーズは、クライアントPCからの情報漏えいを防止するエンドポイントでのセキュリティ対策製品として位置づけられており、クライアントPCの操作を制限する「Systemwalker Desktop Keeper」、ドライブやファイルを暗号化する「Systemwalker Desktop Encryption」の新製品と、セキュリティパッチやインベントリ管理ソフトウェアである「Systemwalker Desktop Patrol」の3製品で構成される。

 個人情報保護法が施行される2005年4月以降、企業には顧客情報の管理が求められる。富士通株式会社 ソフトウェア事業本部 運用管理ソフトウェア事業本部 運用管理ソフトウェア事業部 第一開発課長 大西真吾氏は、「従業員や委託業者による内部犯行が、情報漏えい原因の8割を占めている」とし、その背景として「誰でも情報を入手でき、従業員モラルに依存した運用になっている」点を問題視した。

 Systemwalker Desktop Keeperは、クライアントPCでのUSBメモリなどのリムーバブルメディアや印刷などの利用権限を管理コンソールで集中管理し、さらに操作ログやデバイス構成変更のログを記録するほか、アプリケーションやサービス・プロセスの起動を抑止することで、情報漏えいを防止する。また休日や夜間に操作されたPCのリストアップなども可能で、万一情報が漏えいした際にも、追跡、監査が可能となる。

 Systemwalker Desktop Encryptionは、ドライブやフォルダ、ファイル単位での暗号化が可能なソフトウェア。モバイルPCによる持ち出しファイルも暗号化できるため、データ紛失時にも読み取りを不能にし、情報漏えいを防止できる。

 Systemwalker Desktop Patrolでは、クライアントPCからインベントリ情報を収集し、ハードウェア、ソフトウェアライセンスなどの構成情報を管理できる。またセキュリティパッチや、アプリケーションのリモートインストールなども可能となっている。6月から提供されている新バージョンでは、富士通のサポートセンターから、パッチウイルス定義ファイルの情報を収録した「ソフトウェア辞書」を配布する機能が追加され、自動適用可能となった。


クライアントPCの操作を制限する「Systemwalker Desktop Keeper」 暗号化ソフトウェア「Systemwalker Desktop Encryption」 インベントリ管理ソフトウェア「Systemwalker Desktop Patrol」

 大西氏は「資産管理と情報漏えいの組み合わせで、エンドポイントのクライアントPCを把握することで、より強固なセキュリティ対策が可能になる」と述べ、「今後もSystemwalkerシリーズで、運用管理の全領域をユーザーの実運用にあった形でカバーしていく」とした。

 数万ユーザーに達するなどの大規模導入のケースが多いが、「Desktopシリーズでは、これまでなかった中堅規模の市場への展開も図りたい」とした。また今後は認証機構との連動する機能追加なども行っていくとのこと。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  Systemwalker Desktopシリーズ
  http://systemwalker.fujitsu.com/jp/desktop/


( 岩崎 宰守 )
2004/11/16 17:38

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