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2004年は危険度中以上のウイルスが倍増-米McAfee調査


 マカフィー株式会社は1月6日、米McAfeeのウイルス対策・脆弱性研究機関「McAfee AVERTラボ」が1月3日に発表した、2004年に世界の企業や個人ユーザーに危害を及ぼしたウイルスの上位10種類を公表した。

 発表されたウイルスの上位10種類は、Adware-180、Adware-Gator、Exploit-ByteVerify、Exploit-MhtRedir、JS/Noclose、W32/Bagle、W32/Mydoom、W32/Netsky、W32/Sasser、W32/Sdbot(sdbot、gaobot、polybot、spybotを含む)。これらはすべてスパイウェア(含アドウェア)、電子メールウイルス、スパムによって配信される「マルウェア」のいずれかに分類される。

 同社によると、2004年は危険度中以上のウイルスが46種で、2003年の20種から倍以上に増加したという。これは主に、2004年第1四半期に激化した Netsky作者とBagle作者・Mydoom作者の間で起きた抗争によって亜種が大量に発生したことが大きな原因とみられている。さらに2004年上半期には、毎日50もの危険度の異なる新種のウイルスが発生し、2004年の年末までに17,000種もの新種のマルウェアがMcAfee AVERTのウイルスデータベースに加わったという。

 これらの攻撃パターンを分析すると、2000年より減少傾向にあったシステムの脆弱性を突く攻撃が380種以上確認され、2003年と比較して約50%増加。攻撃件数は200万を超えたという。同社ではプログラムの進化と修正パッチのあたっていない個人ユーザーのシステムを利用した攻撃が今後も続くことで増加が続き、いずれは過去6年間上位を占めていた大量メール送信型に取って代わる可能性があるという。一方で発見された脆弱性は2,800で、2003年より25%減少している。

 McAfee AVERTの報告によると、企業では「bot(ボット)と大量メール送信型ウイルスが脅威の主流」としている。botとは、別のソースからのコマンドに応答する自動プログラムを指し、積極的なセキュリティ対策が施されていないシステム間で急速に繁殖して、作者の指示で特定のサイトの一斉攻撃などを行う恐れがある。McAfeeは現在、7,000以上のbotが存在すると推計、週150~200のペースで増加しているという。

 同社では常に最新のウイルス定義ファイルの使用、最新の修正プログラムのインストール、最新のスパムフィルタの使用、重層的な手法での検知、防御を推奨している。



URL
  マカフィー株式会社
  http://www.mcafee.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.nai.com/japan/about/prelease/pr_05a.asp?pr=05/01/06-1

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( 朝夷 剛士 )
2005/01/06 19:01

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