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マカフィー、“手間いらずでも細かな管理が可能な”ウイルス対策ASPサービスなど


 マカフィー株式会社は2月1日、ASP型ウイルス対策サービス「McAfee VirusScan ASaP」をアップグレードし、「McAfee Managed VirusScan」として3月下旬までに提供を開始すると発表した。また同時に、スパイウェア対策ツール「McAfee Anti-Spyware Enterprise Edition」も発表された。こちらは企業向けウイルス対策ソフトのアドオンとして、3月上旬に提供が開始される予定。


「手間いらず」を維持したまま、管理機能を強化した新ASPサービス

マーケティング本部 マーケティング部 部長代理の能地將博氏

McAfee Managed VirusScanの画面イメージ
 McAfee VirusScan ASaPは、PCに一度エージェントをインストールしておけば、マカフィーの用意したインターネット上のサーバーから、自動的に必要な更新をダウンロードして適用する仕組み。パターンファイルの更新だけでなく、ソフトのバージョンアップまでをすべて自動で行うため、「手間いらず」(マーケティング本部 マーケティング部 部長代理の能地將博氏)なことが特徴で、専任の管理者を用意できないことが多い、SMB/SOHOでの利用に向くという。また、同じブロードキャストドメイン内では、1台のPCがダウンロードしたパターンファイルをほかのPCにも適用可能なため、インターネット帯域を圧迫せずに利用できる。

 今回は同サービスの機能強化を行うとともに名称が変更され、McAfee Managed VirusScanが提供開始とともに、既存ユーザーが利用しているソフトが、自動的にアップデートされる。主な機能強化点としては、これまで18時間ごとだったパターンファイルの更新チェック間隔を4~24時間の範囲で変更できるようにしたほか、危険度「中」以上のウイルスが発生した場合には、別途緊急対応を行える仕組みを用意した。また、ウイルス/ワームだけでなく一部のスパイウェア/アドウェアの検知に対応したことに加え、ワームが悪用することの多い、バッファオーバーフローの脆弱性からPCを保護する機能を搭載している。

 さらに、「手間いらずでも、細やかな管理サービス」(能地氏)を実現するため、ポリシー管理機能を新たにサポート。スキャンのスケジュール、更新間隔、圧縮ファイルのスキャンルール、除外フォルダ・ファイル、バッファオーバーフロープロテクションの使用有無、といった項目で企業ごとのカスタマイズルールが設定できるようになったため、自社のポリシーに応じた運用が、ASPサービスでも可能になったという。

 対応OSは、Windows XP/2000 SP2以降/NT 4.0 SP6a以降/Me/98/Server 2003だが、Windows Me/98/95では一部機能が利用できない。価格はMcAfee VirusScan ASaPと同様で、1~25ノードの場合、1ノードあたり8,640円/年。同社では、前年度の150%の販売を見込んでいる。


ウイルス対策ソフトにアドオンするスパイウェア対策製品

McAfee Anti-Spyware Enterprise Editionの画面イメージ
 一方、McAfee Anti-Spyware Enterprise Editionは、スパイウェア、アドウェアなどの不審なソフトウェア(PUP)を検知・削除するもので、企業向けウイルス対策ソフト「McAfee VirusScan Enterprise 7.1/8.0i」のアドオンとして提供される。機能としては、レジストリやクッキーのスキャンに対応するほか、リアルタイムスキャン機能も備え、勝手にPUPがインストールされてしまうことを防止できるという。スキャン可能なPUPは現在3000種ほどだが、現在でも1週あたり200種程度がデータベースに追加されており、今後も継続して検知可能なPUPを拡充する予定だ。

 なお、こうした機能は他社の製品でも備えており、あえてこれを導入するメリットはないように思えるが、能地氏は「管理こそが重要。エンタープライズ用途では特に、管理機能がない製品は無意味だ」と述べ、競合製品を切り捨てる。現在提供されているスパイウェア対策ソフトの中には、企業向けをうたっていても、管理ツールが用意されていないものが存在するという。

 しかしAnti-Spyware Enterprise Editionの場合はVirusScan Enterpriseへ統合されるため、管理ツールの「McAfee ePolicy Orchestrator」によって、ソフトの配布、対策ポリシーの集中管理などを行えるというメリットがある。例えば数百台のPCを管理するような場合でも、管理者になるべく負担をかけないように運用できるのである。

 また費用面でも、1台あたり1,980円(1~25ノードで1年間新規契約の場合、予定価格)と、競合製品と比べて有利に設定してあるという。同社ではこうしたメリットを強調して、まずVirusScan Enterpriseのユーザーを対象に拡販し、同製品のユーザーのうち25%程度へ販売したいとしている。



URL
  マカフィー株式会社
  http://www.mcafee.com/jp/

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( 石井 一志 )
2005/02/01 19:37

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