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“ハイエンド向け製品で勝負”する米CyberGuard、新FW製品などを発売


 米CyberGuardは2月23日、ファイアウォールアプライアンスの新版「TSP(Total Stream Protection)ファミリー」と、統合セキュリティアプライアンス「CyberGuard WW1000 Content Security Appliance」(以下、WW1000)を発表した。TSPファミリーは4月から、WW1000は3月1日から提供が開始される。


セキュアOSベースのファイアウォールアプライアンス「TSPシリーズ」

技術担当上級副社長、Paul Henry氏
 TSPファミリーは、同社製ファイアウォールアプライアンスの新シリーズ。パケットフィルタリングに加えて、クライアントからの通信を代行してサーバーと通信する「アプリケーションレベル・ゲートウェイ」、TCPレベルのコネクション要求を調べ、問題ないコネクションのみを通す「サーキットレベル・ゲートウェイ」の3つのアクセス制御機能を備える。また、IPsec VPNにも対応している。

 OSは、従来の製品で用いていたUNIXベースのセキュアOSから、今回よりLinuxベースのOS「CG Linux」に移行した。これによって、64ビットハードウェアのサポートが可能になったほか、多くの新機能を素早く取り込めるようになったという。またこのLinuxでは、ネットワーク/システムの両レベルに権限が分割されており、ネットワークレベルの管理者権限を奪取されても、システムレベルの操作は行えないように設計されているとのこと。

 TSPファミリーには、対象とするネットワークの規模に応じて3シリーズ6製品が用意されている。エントリーモデルのTSP 1150は、100BASE×2、1000BASE×1のインターフェイスを持ち、200Mbpsのパケットフィルタスループット、75MbpsのVPNスループット性能を備える。一方ハイエンドモデルのTSP 5100では、インターフェイスが100BASE×1、1000BASE×15(光ファイバー含む)まで、スループット性能もそれぞれ3.25Gbps、500Mbpsまで拡張されている。価格は、TSP 1150の場合で123万4000円から。

 なお、こうしたOSの上で提供される同社のファイアウォールの特徴は、「許可したパケットのみを通すこと」(技術担当上級副社長、Paul Henry氏)。Henry氏は「競合製品では、許可されないパケットをブロックする仕組みを採用している。ガートナーによれば、毎月700の新たな脆弱性が発見されているというが、(こうした状況では)競合ベンダの手法は適切ではない」と述べ、同社の手法の優位性を強調した。


コンテンツ管理やSSL復号機能を備えたアプライアンス「WW1000」

CyberGuard WW1000 Content Security Appliance
 WW1000の方は、コンテンツ管理を中心とした統合セキュリティスイート、「Webwasher Contents Security Management」(以下、Webwasher)を用いたアプライアンス製品。Webwasherはもともと、CyberGuardが2004年4月に買収した独Webwasherの製品であったが、今回はこれをCG Linuxベースのアプライアンスとして発売する。

 WW1000では、SSL通信を復号して中身を確認できるSSLスキャナーをはじめ、ウイルス対策、迷惑メール対策、URLフィルタ、コンテンツ保護などの各コンポーネントが用意され、ユーザーは必要な機能を組み合わせて利用できる。また、ICAP(Internet Content Adaptation Protocol)をサポートしており、同じくICAPに対応しているTSPファミリーや、キャッシュサーバーと連携することも可能で、より効果的なセキュリティ対策が行えるという。

 価格は、コンテンツ保護のライセンス100ユーザー分を合わせて、165万円より。


日本市場への取り組みを強化、現地オフィスの株式会社化もにらむ

日本オフィス代表 後藤聖治氏
 なおCyberGuardは、ワールドワードセールス担当上級副社長、Gary Taggart氏が「政府機関と、Global2000にランクされている企業の分野で、セキュリティ製品のマーケットリーダーを目指す」と語るように、ハイエンドマーケットに特にフォーカスして製品を提供しているセキュリティベンダだ。ラインアップ自体には中小規模向けで利用できるランクの製品も用意されているが、製品は最初からハイエンドを意識して設計されているという。

 日本でもこれは踏襲する方針で、1月5日付けで同社の日本オフィス代表に就任した後藤聖治氏は、まずは強い部分でナンバーワンを確保していく姿勢を示した。また、日本の顧客に対してのサポートなど、安心して使ってもらえる環境を整備していくために、「株式会社化を含めて、きちっと日本でのCyberGuard事業を立ち上げたい」と述べた。今後同社では、まだ完了していないWebwasherの日本語化を含めて、製品の日本化を進めていく意向だ。



URL
  米CyberGuard
  http://www.cyberguard.com/

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( 石井 一志 )
2005/02/23 17:21

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