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「秘密分散システム」でデータを保護する個人情報管理サービス


PrivSHELTERの概要

プライブ・シェルターのソリューション事業部、加藤久男プロデューサー
 株式会社プライブ・シェルターは3月25日、ASP型の個人情報管理システム「PrivSHELTER」を、4月1日より販売開始すると発表した。

 PrivSHELTERは、個人情報管理システムをASP方式で提供するサービス。十分なセキュリティを確保するために各種の取り組みがなされているが、最大の特徴は、データを3つの断片に分割して分散保管し、そのうち任意の2つがそろわないと元のデータへ復元できないシステムを採用したこと。3つのうち1つが流出したとしても解読不可能なため、不正侵入によってデータが流出しても貴重なデータを保護できるほか、2つの断片がそろえば復元を行えるので、元データの可用性も確保できるという。

 また断片は関東・関西・中部の各データセンターに分散して保管され、顧客の拠点とIP-VPNで接続される仕組みを採用。すべてのデータが離れた場所で確保されることから、災害時のディザスタリカバリにも対応する。さらに顧客の拠点からのデータベース操作に関しても、電子証明書を埋め込んだ専用PCからのみ許容するようになっているだけでなく、USBトークンによるクライアント認証、アプリケーションによるログイン認証、契約団体ごとのURL認証など、「5重のガードでデータを保護している」(プライブ・シェルターのソリューション事業部、加藤久男プロデューサー)。

 加えて同システムでは、単に個人情報を保管するだけでなく、アンケートフォームを利用して情報を収集したり、集めた個人情報を統計・分析したり、漏えいの心配なくダイレクトメールやメールマガジンなどを配信できる仕組みを用意したり、といったマーケティングツールとしての側面も備えている。

 なおPrivSHELTERでは、NTTコミュニケーションズの「情報量依存型暗号化技術」を用いてデータの分散保存、暗号化を行っている。この方式では前述のようにデータを単に暗号化するのではなく、複数に分割して保存するため、「いつかは解ける暗号化と異なり、必要な要素(断片)がそろわなくては解けない」(同社)ものだという。

 NTTコミュニケーションズの第二営業本部、武藤弘和本部長は「万一(断片の1つが)流出しても、“安全”と言い切れる」と、この技術の優位性を強調した上で、PrivSHELTERについて「データを“守る”ことも大事だが“活用する”ことが先行しないと(企業にとって)意味はない。マーケティング、カスタマーサービスなどのために個人情報を活用でき、かつ情報を保護する、というニーズに応えるスキームとしては、これに勝るものはない」と、コメントした。

 PrivSHELTERの利用は最低6カ月からで、価格は、初期費用が126万円、月額基本利用料が31万5000円より。プライブ・シェルターでは、初年度に100社、3億6000万円の売り上げを目指して活動するとしている。



URL
  株式会社プライブ・シェルター
  http://www.privshelter.com/

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( 石井 一志 )
2005/03/25 17:26

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