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トレンドマイクロ、スパイウェア駆除に対応した企業向けウイルスバスターの新版


ウイルスバスター コーポレートエディション 7.0の画面イメージ

マーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループ プロダクトマーケティング課 プロダクトマーケティングマネージャー、小林伸二氏
 トレンドマイクロ株式会社は4月11日、企業向けウイルス対策ソフトの新版「ウイルスバスター コーポレートエディション 7.0」(以下、コーポレートエディション 7.0)を、5月18日より出荷開始すると発表した。対応OSは、管理サーバーがWindows Server 2003/2000 Server SP2以降/NT Server 4.0 SP6a以降、クライアントがWindows XP SP1以降/2000 Professional SP2以降/NT 4.0 SP6a/Me/98/95/など。

 コーポレートエディション 7.0の最大の特徴は、新たにスパイウェア駆除オプション「ダメージクリーンナップサービス」が用意されたこと。同オプションを併せて利用すると、これまでも可能だったスキャン時のスパイウェア検知に加え、HDDへの書き込み時にリアルタイムで検知・駆除する機能や、スキャン時の駆除機能が有効になる。またウイルス対策機能とあわせた集中管理機能、管理者によるポリシー強制といった機能も提供されるとのことで、マーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループ プロダクトマーケティング課 プロダクトマーケティングマネージャー、小林伸二氏はこれらを「企業向け製品に必須の機能」とし、スパイウェア対策の単体製品に対する優位性を主張した。

 もっともスパイウェアに関しては、「白・黒の判断が難しい」という問題がつきまとうという。放置すると個人情報の流出などにつながるものもあり、ユーザー側でも脅威として考えている場合が多いことから、トレンドマイクロは駆除・復旧を行える仕組みを用意したが、小林氏は「(インストールされた段階では)必ずしも悪いソフトだと決めつけることはできない」「セキュリティポリシーが開示されていたり、使用許諾書に明記されているものなどは、ベンダが勝手に消せない」(小林氏)といった問題を指摘。同社側でもスパイウェアの定義ファイルに関しては注意して作り込みを行ってはいるが、ユーザー側でも慎重に取り扱うことが必要だと注意を促した。

 またスパイウェア関連以外では、ログのバックアップや、クライアントと管理サーバーの接続ステータスをログ出力できるようにしたほか、64ビット環境にも新たに対応している。出荷時にはItanium 2にのみ対応するが、6~7月をめどにサービスパックをリリースし、64ビット版のPentium 4、XeonやAthlon 64などをサポートできるようにする予定。

 価格は、Windowsクライアント向けの製品の場合、3万7800円(5ライセンス)から。ダメージクリーンナップサービスは1万6800円(5クライアント)からで、9月28日受注分までは、1万1760円(同)のキャンペーン価格で提供される。


サーバー向けの“ウイルスバスター”も新登場、ServerProtectからの乗り換え促す

サーバ版への移行スケジュール概要
 加えて今回は同時に、Windows Server 2003/2000 Serverに対応する、サーバー向けのウイルス対策ソフト「ウイルスバスター コーポレートエディション 7.0 サーバ版」(以下、サーバ版)が発表された。こちらは現在提供されているサーバー向け製品「ServerProtect for Windows NT/NetWare」の後継にあたる製品で、これに伴い同製品は、12月以降に販売を停止する。

 小林氏はこの理由を「開発やサポートのリソースをウイルスバスターシリーズに集中させ、よりよい品質を顧客に提供することが目的。また、サーバ版の方がServerProtectよりも機能が充実しているということもある」と説明。1つだけサーバ版への実装が済んでいない「タスクマネージャ」(サーバーをグループ化して管理する機能)が用意され次第、製品を切り替える。ただし、顧客が新ソフトのテストなどを行う必要がある点を考慮して、次バージョン出荷から3年はサポートを提供。その間に移行を促すとしている。

 サーバ版の価格は、ServerProtectと同額の7万2450円(20ライセンス)からで、これまで同様、店頭販売用のパッケージ製品(1サーバーライセンス)も発売されるほか、クライアント向け製品とセットになった「Client/Server Suite」に関しては、サーバ版、ServerProtect for Windows NT/NetWareの双方を、ライセンスの範囲内で利用できる。またServerProtectにはないファイアウォール機能付き「アドバンス サーバ版」、ダメージクリーンナップサービスもラインアップに加えられた。なおServerProtectのシリーズはほかに、Linux向け、NAS向けの製品が存在するが、それらに関しては販売が継続されるとのこと。



URL
  トレンドマイクロ株式会社
  http://www.trendmicro.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2005/news050411.htm

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( 石井 一志 )
2005/04/11 18:25

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