Enterprise Watch
最新ニュース

チェック・ポイント、108Mbps無線LANをサポートするセキュリティゲートウェイなど


VPN-1 Edge W

チェック・ポイントの技術部長、卯城大士氏
 イスラエルのCheck Point Software Technologies Ltd.は4月11日(米国時間)、無線LAN機能を備えたセキュリティゲートウェイ「VPN-1 Edge W」と、中規模企業向けセキュリティゲートウェイソフト「Check Point Express CI」を発表した。国内では、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(以下、チェック・ポイント)が順次販売を開始する。

 今回発表された製品のうちVPN-1 Edge Wは、ブランチオフィス向けセキュリティゲートウェイ「VPN-1 Edge」の新ラインアップ。従来製品が備えているステートフルインスペクションファイアウォール、IPsec VPNの両機能に加え、新たに無線LANアクセスポイントの機能を統合した。無線LANの機能としてはIEEE 802.11b/gの両規格をサポートし、最大108Mbpsの無線通信を可能にする「Super G」技術にも対応。ゲートウェイとアクセスポイントが一体化していることで、単機能のアクセスポイント製品と比べて設置に関する柔軟性が失われているものの、「Super Gの対応により、速度だけでなく通信距離の面でも、競合他社の製品にはないメリットを提供できる」(チェック・ポイントの技術部長、卯城大士氏)。

 無線LANの管理に関しても、これまでと同じく本社などの中央サイトから一括して行えるほか、ポートベース、タグベースのVLANに対応。それぞれのVLANに参加するユーザーの役割にあわせて、アクセスできる企業資源の制限を行える。またセキュリティ機能としてはWEP/WPA/WPA-PSKなどに加え、「当社のVPNクライアントソフトと連携して、IPsec VPNを無線LANのセキュリティにも用いることができるため、WEPやWPAの1つ上のレイヤでセキュリティを確保可能になった」(卯城氏)。

 可用性面にも配慮されており、2つのISPを登録しておき障害時に切り替える機能、ダイヤルアップ回線へのバックアップ機能(別途モデムが必要)、VPN-1 Edge Wを2台利用したアクティブ-スタンバイの冗長化機能などを、追加ライセンスなしで利用できる。

 有線のインターフェイスとしては、LAN側向けの4ポート100BASE-TX/10BASE-Tスイッチ×1と、WAN側向けの100BASE-TX/10BASE-Tポート×1、DMZ向けの100BASE-TX/10BASE-Tポート×1、プリンタと接続してプリンタサーバーとして利用できるUSBポート×2を持つ。価格は利用できるユーザー数によって異なり、最少8ユーザーで12万8000円(税別)からの予定。出荷は5月中旬ごろから開始される見込み。


ウイルス対策機能を統合した、中規模企業向けのセキュリティゲートウェイソフト

Check Point Express CIで利用される管理コンソールの画面イメージ
 一方のExpress CIは、中規模企業向けセキュリティゲートウェイソフト「Check Point Express」に、米Computer Associatesのウイルス対策エンジンを組み込んだ製品。IAプラットフォームのサーバーなどにインストールして、簡単にセキュリティゲートウェイを構築できるのは従来と同じだが、新製品では、ゲートウェイでSMTP/FTP/HTTPトラフィックとファイルタイプをスキャンできるようになった。

 このウイルス対策機能は、管理機能に関しても従来の管理コンソールと完全に統合されており、別途サードパーティ製のウイルス対策ゲートウェイを用意し、連携動作させる必要があった従来製品と比べて、構築・運用の際の負担が軽減される。「セキュリティ対策に割けるリソースが大企業と比べて小さくなる中規模企業には最適な製品だろう」(卯城氏)。

 ウイルス対策機能以外の主な機能としては、ファイアウォール、IPsec/SSL VPN、IPSなどを搭載。卯城氏は「競合他社の製品も同じような構成を取っているが、当社の場合はIPSの機能1つとっても、リサーチ会社からトップクラスの評価を得ている。ネットワークレイヤからアプリケーションまで、幅広い機能を十分に(利用に耐えうる形で)備えているのは当社だけ」とアピールしていた。

 なおチェック・ポイントではこれまで、ウイルス対策製品を統合するアプローチに関しては否定的だった。同社がそうした立場を翻した点に関して卯城氏は、1)統合型製品に対するニーズが継続的に見込まれていること、2)IAプラットフォームの性能向上により、統合型製品を運用しても十分なパフォーマンスが期待できるようになったこと、3)SecurePlatform OSによって、OSに対する脆弱性の懸念を払しょくできたこと、を挙げて、「統合型製品を提供する下地が整ったために、今回製品の提供に踏み切った」と説明した。

 同製品の価格は64万円(税別)から。



URL
  Check Point Software Technologies Ltd.
  http://www.checkpoint.com/
  チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社
  http://www.checkpoint.co.jp/
  プレスリリース(Check Point Express CI)
  http://www.checkpoint.co.jp/pr/2005/20050412checkpointexpressCI.html
  プレスリリース(VPN-1 Edge W)
  http://www.checkpoint.co.jp/pr/2005/20050412vpn-1edgeW.html

関連記事
  ・ Check Point、“Super G”無線LANに対応した小型セキュリティアプライアンス(2004/11/16)


( 石井 一志 )
2005/04/12 17:01

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.