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Client SecurityとAntiVirusの位置づけ
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株式会社シマンテックは5月31日、企業ネットワークなどに接続されたPC向けセキュリティソフトの新版として、アンチウイルス機能を持つ「Symantec AntiVirus Corporate Edition 10.0(以下、AntiVirus Corporate Edition 10.0)」と、これにファイアウォール・侵入検知(IPS)機能を合わせた総合セキュリティ対策ソフト「Symantec Client Security 3.0(以下、Client Security 3.0)」を発表した。7月8日より発売する。
2製品は、企業クライアントPC向けのセキュリティ対策ソフトで、個人向けに発売されている「Norton Internet Security」などと同等の機能に加えて、ウイルス侵入のリアルタイム監視機能の常駐や、定義ファイル更新などにおける集中管理機能を備える。これにより、エンドユーザーが勝手に監視を終了させたり、更新の怠ることによる集団感染などを防ぐことができる。
今回のアップデートでは、外部からの攻撃に対する検知・防御機能が強化され、特にClient Security 3.0では、IPSエンジンの強化によって未知の攻撃に対するブロックやスパイウェアのリアルタイム検知が可能となっている。
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プロダクトマーケティング リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 吉田一貫氏
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強化されたIPSエンジンにおいては、発生してから間もない攻撃に対して、その種類や対策を検出できない場合、その振る舞いなどから不審なものであるかを判断してブロックし、感染を防ぐことができるという。同社プロダクトマーケティング リージョナルプロダクトマーケティングマネージャの吉田一貫氏によると、定義ファイルは脆弱性や攻撃を発見してから作成されるものだが、今後それらの発見から攻撃が広まるまでの時間がほとんどなくなる「ゼロデイアタック」が広まる危険性が高いため、このような「プロアクティブな防御」が必要になるとしている。
スパイウェア対策は、従来、侵入を許したものを後からスキャンすることでのみ検出できていたのに対し、新バージョンではウイルスなどと同様にリアルタイムでの検出が可能となった。「業務によってはスパイウェアと似た性質のプログラムのインストールを必要とする場合もある」(吉田氏)とのことで、使用が認められているものの検出除外設定(ホワイトリスト)を作成し、不要なもののみを検出、削除することができる。また、インストールされてしまったスパイウェアを、当該ファイルだけでなく変更されたレジストリを含めた「完全な自動削除」や、これが原因で削除されてしまったファイルなどの修復が可能となったという。
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管理者側からクライアントPC上で動作させるセキュリティ機能のコントロールが可能
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スパイウェアを検出した例
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米Symantec プロダクトマーケティング ディレクター ケビン・マーレー氏
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米Symantec プロダクトマーケティング ディレクターのケビン・マーレー氏は、スパイウェアによる被害について、ウイルスのような直接的なものではなく、これが原因による機密情報の漏えいや、それに付随する訴訟などの責任問題、ヘルプデスクの対応など二次的な被害が大きいとし、「被害コストなどが定量化できないため、実質的なインパクトは未知数」であると述べた。
このほか、EM64TおよびAMD64の64ビットプラットフォーム、CiscoのNACといった次世代環境への対応が追加されている。
価格は、Client Security 3.0が新規ライセンス単価が14,300円、AntiVirus Corporate Edition 10.0が9,500円(いずれも10~24ライセンス時)。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.com/region/jp/
プレスリリース
http://www.symantec.co.jp/region/jp/news/year05/050531.html
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( 朝夷 剛士 )
2005/05/31 13:12
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