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アークン、企業向けの不正プログラム対策ソフト-国産スパイウェアへの対応を強化


アークンの代表取締役、渡部章氏

AntiMalwareのクライアントPC側ツールの画面

AntiMalwareの管理ツール側の画面
 株式会社アークンは、企業向けのマルウェア(不正プログラム)対策ソフトウェア「AntiMalware」を、9月1日より販売開始すると発表した。対応クライアントOSはWindows XP/2000/Me/98 SEで、最大18万種以上のマルウェアを検知・駆除することが可能という。

 AntiMalwareは、アークンが開発し、株式会社ジャングルが販売しているパッケージソフト「SGアンチスパイ」をベースに、Webベースの管理コンソールで操作を行える統合管理機能を付加した製品。一般のウイルス対策製品で対応可能なウイルス・ワームだけでなく、スパイウェアやアドウェア、トロイの木馬、ハッキングツール、ブラウザハイジャッカーといったマルウェア全般の検知(リアルタイム含む)・駆除に対応できるという。

 さらに、「ウイルスやワームはほぼ100%海外製なのに対し、スパイウェアなどのマルウェアには、明らかに国内をターゲットにしているものがある」(アークンの代表取締役、渡部章氏)ことから、国産スパイウェアへの対応を強化している点も特徴。露Kasperskyのウイルス対策エンジンを搭載し、「スパイウェア対策製品でほぼ唯一」(同氏)、ウイルス・ワームへの対策も行える点、主要ウイルス対策ソフトとの併用が可能な点も強調できるという。

 渡部氏はあわせて、「ファイルに寄生するウイルスと異なり、スパイウェアはプログラム。駆除するためにはアンインストールする必要がある。ウイルス対策ソフトの中にもスパイウェア対策機能を備えた、とうたっている製品があるが、単体で完全な駆除は行えず、機能的に不十分だ」と述べ、ウイルス対策ソフトに対する優位性を強調したほか、「当社では誤検出などで必要なファイルを除いてしまった場合にもすぐに復旧、つまり再インストールできるようにしている」と語った。

 また今回新たに加えられた統合管理機能を利用すると、クライアントPCにインストールされたAntiMalwareのポリシーを設定したり、ログを吸い上げたり、スキャンスケジュールを策定したり、といったことが行えるようになる。これらの機能を利用するためには、Linux OS上で付属の管理サーバーソフトを稼働させる必要があるが、専門知識を持たない小規模ユーザーでの使用も考慮して、ASPでのサービス提供もあわせて行っていくとのこと。

 価格は、全機能を備えたAntiMalwareのライセンス版「AntiMalware-AV」が3万7000円(5ユーザー、税別)から、ウイルス対策機能を除いた「AntiMalware-AS」が2万7000円(同)から。2年目以降も利用する場合は、初年度の半額の年額更新料が必要なほか、管理サーバーを稼働させるために必要な、Red Hat Enterprise LinuxやMySQLなどのライセンスが別途必要となる。またASP形態の「AntiMalware ASP」は、10ユーザー、3カ月の場合で1万3500円(税別)より。

 なおジャングルもあわせて、SGアンチスパイの法人向けライセンス販売を開始する。この製品では特に管理ツールの提供は行わず、その分3万2000円(5ライセンス、税別)からと、AntiMalwareよりも安価に設定されている。



URL
  株式会社アークン
  http://www.ahkun.jp/
  AntiMalware
  http://www.ahkun.jp/product/am.html

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( 石井 一志 )
2005/08/09 18:10

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