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ジュニパー、仮想化機能を備えたサービス事業者向けのSSL-VPNアプライアンス


Secure Access 6000 SP

ジュニパーのアジアパシフィック地区担当 ET製品 システムエンジニア、乙部幸一朗氏
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は9月15日、サービス事業者向けのハイエンドSSL-VPNアプライアンス「Secure Access 6000 SP」(以下、SA 6000SP)を発表した。具体的な価格は明らかにしていないが、従来製品「Secure Access 5000」とほぼ同等か少し上になるという。

 SA 6000SPは、サービス事業者のニーズにフォーカスしたSSL-VPNアプライアンス。現在はマネージドサービスプロバイダとして、SSL-VPNのゲートウェイサービスを提供する事業者が増えているが、SA 6000SPは、一般ユーザーとは異なるこうした事業者のニーズをくみ取った製品という。

 具体的には、ハードウェアの冗長化機能をサポートしており、壊れやすいとされるHDDや電源、ファンといった可動部分を冗長化構成で搭載できる。またアプライアンスを複数組み合わせての冗長化にも対応。一般的な、同一ネットワークセグメント内での冗長化だけでなく、複数のロケーションに分散配置することでリスクを低減させる「マルチサイトクラスタ」機能も利用できる。もちろんこうした場合でも、セッションの引き継ぎなどは遺漏なく可能だ。

 さらに、オプションソフト「IVS(Instant Virtual System)」を用いることによって、1つの筐体を複数のユーザーで共用させながら、独立したポリシー設定やセキュリティ設定、ログ採取などを行える仮想化機能を搭載。この機能とVLANの機能を組み合わせることによって、各ユーザー側からはあたかも自分専用のアプライアンスを使っているかのように見えるため、サービス事業者は高性能な1つの筐体を用いて、各ユーザーによりレベルの高いサービスを、より低コストで提供できるようになるという。

 このIVSは今回同時に発表されたSSL-VPNアプライアンス向けOSの新版、「IVE(Instant Virtual Extranet) 5.1」のオプションという位置付けになり、SA 6000SP以外にも、SA 4000/6000で利用できる。

 なお、ジュニパーのSSL-VPN製品はもともと米Neoterisが展開していた製品がベースになっており、企業向けの性格が強い製品群だった。しかしNeoterisが米NetScreenを経て米Juniperに組み入れられたことによって、通信事業者向け製品に強いジュニパーの販売網を利用できるようになったため、こうした事業者向け製品を積極的に展開できる背景が整ったといえる。

 ジュニパーのアジアパシフィック地区担当 ET製品 システムエンジニア、乙部幸一朗氏も「共有型でなく、1台1台をユーザーに割り当てる方式では他社の製品と競合することもあるが、仮想化を提供できる製品はほかになく、真に事業者のニーズに応えられる製品といえるだろう」と述べ、これまでの製品では対応できなかった部分に切り込めたとした上で、「仮想化の機能を用いることで、新しい市場を創出できると思っている」と期待を表明した。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2005/pr-050915.html

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( 石井 一志 )
2005/09/15 17:01

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