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ノーテル、階層型セキュリティ構想を発表-IPSなどを11月より販売開始


「レイヤードディフェンス」の構成要素と全体のイメージ

Nortel Threat Protection System
 ノーテルネットワークス株式会社(以下、ノーテル)は10月4日、ネットワークを4階層に分けて複合的な防御を提供する新セキュリティ構想「レイヤードディフェンス」を発表した。また同構想を補完するための新製品として、IPS(侵入検知/防御システム)の「Nortel Threat Protection System(TPS)」、ファイアウォール「Nortel Switched Firewall 5111」「同 Director 5016」などを11月より販売開始する。

 今回明らかになったノーテルのレイヤードディフェンス構想では、セキュリティ要素を4つに分けて考えているという。その4つとは、PCの端末部分におけるセキュリティを確保する「エンドポイント・セキュリティ」、リモートアクセスにおけるVPN部分に相当する「コミュニケーション・セキュリティ」、ファイアウォールやIPSが含まれる「ペリメータ・セキュリティ」、ネットワークのコア部分でセキュリティを強化するための「コア・セキュリティ」の各分野。

 具体的には、クライアントPCのソフトや、端末認証を担当するIEEE 802.1Xスイッチなどがエンドポイント・セキュリティを、VPNの受け口となるゲートウェイアプライアンスやルータなどがコミュニケーション・セキュリティを担う。またコアルータやアプリケーションスイッチがコア・セキュリティの分野に含まれることになるが、必ずしも1つの製品が1つの役割だけを担当するわけではなく、ネットワークにおける利用法によって、各製品がどのレイヤを担当するのかが決まるようである。

 たとえば今回発表されたTPSの場合、境界における侵入行為も、内部における不法行為も検知可能なIPSという製品の性格上、ペリメータとコア、両セキュリティレイヤに存在すると説明されている。ノーテルでは、シグネチャを利用した既知の脅威に対する検知機能と、アノーマリ(異常)検知を用いた未知の脅威に対する検知機能を備えたTPSによって、ネットワークのセキュリティレベルを向上させることが可能だ、と説明していた。

 またノーテルでは、アプリケーションスイッチ用OS「Nortel Application Switch OS」の新版「同 23.0」を提供することによっても、ペリメータ/コアのセキュリティを強化するという。この新版では、IPv6に対応したほか、Windows Terminal Services、Softricity SoftGridといったシンクライアント系システム向けの負荷分散機能が強化されており、情報漏えい対策などでシンクライアントを利用している環境において、より有効に利用できるようになったとのこと。


Nortel Networksのエンタープライズ・データ・ネットワークス部門 副社長兼ゼネラルマネージャー、アトゥール・バットナーガル氏
 このように、セキュリティにフォーカスした施策を打ち出してきたノーテルだが、現在のセキュリティ製品市場では、ノーテルに限らずベンダの多くが、脅威の多様化などを理由として、階層型のセキュリティ構想が重要だというメッセージを発信するようになっており、マルチレイヤのセキュリティアーキテクチャ自体が、特に珍しい存在ではなくなっている。

 Nortel Networksのエンタープライズ・データ・ネットワークス部門 副社長兼ゼネラルマネージャー、アトゥール・バットナーガル氏はこの点に関して「ネットワークで数多くの実績を持っている当社ならではの強みは、TCOを引き下げられること。また、標準技術を用い、オープンなエコシステムに基づいていること、パフォーマンスが高いこと、可用性が高いこと」などと述べ、レイヤードディフェンス構想をアピールしていた。




URL
  ノーテルネットワークス株式会社
  http://www.nortel.com/corporate/global/asia/japan/index_jp.html


( 石井 一志 )
2005/10/04 18:01

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