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米Symantec ソリューションマーケティングディレクター 香川悦子氏
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株式会社シマンテックは11月1日、メールのセキュリティ確保とデータ管理製品の統合ソリューション「Symantec Email Security & Availabilityソリューション」の提供を開始した。ベリタスソフトウェアとの合併後、国内では初めての両社製品を組み合わせた商品の発表となる。これを推進する米Symantecソリューションマーケティングディレクター香川悦子氏に、2社の製品を組み合わせたことによる効果と今後の展開を聞いた。
Email Security & Availabilityソリューションは、10月初旬に発表されたメールを媒体とするウイルス/ワームやスパムを防ぐ「Symantec Mail Security 8200シリーズ」と、ExchangeやSharePointなどを利用したメール管理の効率化と可用性を高める「VERITAS Enterprise Vault」を中心とし、さらに各種セキュリティや可用性を高める製品を組み合わせたソリューション。それぞれ単体製品としての機能は変わらず、製品間での干渉などがないことが確認されたことを受けての発表となった。
両社の製品を組み合わせたソリューションの第1弾にメールを対象としたものを選んだのはなぜだろうか。香川氏は「ミッションクリティカルなアプリケーションの中で、現在最も課題が大きいものがメールだった」と説明する。課題とはウイルスやスパムメールの増加と、個人情報保護法などへの対応によるメールの長期保存義務といったものだ。加えて「ちょうど両社にはそれに対応できる製品があった」からだという。
しかし各製品は、シマンテック・ベリタスそれぞれが別々に開発してきたもので、今回のソリューションに含まれるものが融合して動作するのではなく、単体で購入した場合とは機能や価格を含めて変わりはない。また、今後も開発は別々に行われ、設定やレポート機能のインターフェイスにおいて統合を図っていく予定だとしている。
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セキュリティと可用性の向上に向けたメール管理において各フェーズで行うこと
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ソリューションで各フェーズに割り当てられる製品群
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これはほかの製品群にもいえることで、「シマンテックとベリタスが持っていた製品にはオーバーラップするものはない」(香川氏)ことから、今後も各製品の開発はこれまでどおり各自のチームで行われ、インターフェイス部分の統合のみ行っていくとのことだ。逆に、この合併によりなくなる製品もないという。ただし同じバックアップ製品である「(旧シマンテックの)LiveState Recoveryと(旧ベリタスの)Backup Execのブランド統合はあるかもしれない」(香川氏)という。
両社の製品を統合したソリューションは、今回発表されたようなセキュリティと可用性を高めるものに加えて、「ビジネスの継続性(Business Continuity)向上」「法令遵守(Compliance)」を目的としたものを予定している。
前者は、例えばシマンテックが世界各地でネットワークを監視しているセンサーより集めた情報から危険を示すアラートが発せられた際に、重要データの自動バックアップを行うというもの。これは「今年中にも発表がある」という。
後者は、サーバーなど各リソースに対してセキュリティポリシーを設定しモニタリングする「Enterprise Security Manager」を使い、パッチ管理を行ったりバックアップ頻度を調整するというもの。両者とも製品を使うか正確には発表できないが、すでにこれを実現する製品を保有しているとのこと。
香川氏は今後の方向性として、両社の製品を組み合わせて「管理の簡素化・自動化」、「情報アクセスとリスクの適切なマネジメント」を推進していく考えを示した。これには、従来のように個々のアプリケーションに対して個別に設定するのではなく、新たなフレームワークを構築していくことを視野に入れているという。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
プレスリリース
http://www.symantec.com/region/jp/news/year05/051101a.html
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( 朝夷 剛士 )
2005/11/01 20:41
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