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日立ソフト、Office文書の権限管理を徹底する「Rights Core for 秘文」


「Rights Core for 秘文」の概要

左から、日立ソフトの加藤礼吉執行役、マイクロソフトの平井康文執行役常務、日立ソフトの小川常昭執行役
 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)とマイクロソフト株式会社は11月9日、セキュリティ分野での協力体制を強化すると発表した。両社ではこの協業を受けた第1弾として、マイクロソフトのWindows Rights Management Services(RMS)と日立ソフトのセキュリティソリューション「秘文シリーズ」を連携させた、「Rights Core for 秘文」を提供する。

 RMSとは、Office文書を対象にしたコンテンツ保護技術のことで、Windows Server 2003に実装されている。これを利用すると、文書作成者が許可した範囲内でのみ、閲覧・編集・印刷・コピー&ペーストなどの作業が行えるようになるため、機密文書をよりセキュアに取り扱うことが可能になるという。

 しかし従来のRMSではあくまでユーザー側での手動設定にとどまっていたため、設定ミスや設定忘れなどによって、保護されないファイルが発生してしまう可能性があった。そこで今回のRights Core for 秘文では、「秘文シリーズで一貫して採用している、管理者主導のポリシー」(日立ソフトの執行役 開発事業部 副事業部長、加藤礼吉氏)を用いて、「CRMやERPなどの社内システムから生成される文書に対して、RMSを確実に適用できる」(同氏)ようにした。

 このソリューションでは、Office文書ファイルの中に権限情報を埋め込み暗号化するため、ファイルがコピーされてしまったとしても、機密情報の保護が可能。また、ファイルが万が一社外へ流出した場合でも、権限のあるユーザー以外はファイルを開くことすらできないため、安全なファイルの取り扱いができるとのこと。「秘文AE Information Fortress」「秘文AE Information Cyphe」といった製品との併用によって、Office文書以外のファイルの保護も行える。

 価格は、サーバーライセンスが30万円(税別)/CPU、ユーザー管理ライセンスが5000円(同)/ユーザー。初年度は、通信分野や金融分野の顧客を中心に、30社からの受注を目標とする。

 なお、両社の連携強化は製品開発だけにとどまらない。日立ソフトとマイクロソフトでは、プリセールスなどのマーケティング活動とセミナー開催を共同で行うほか、日立ソフトは、米Microsoftが運営しているコミュニティ組織「The SecureIT Alliance」へ参画する。この組織は、Microsoftとセキュリティパートナーとの協業を進めるためのもので、日立ソフトがここへ加わることにより、これまでよりも効率的に互いの製品の連携が行えるようになるとのこと。



URL
  日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
  http://www.hitachi-sk.co.jp/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2484


( 石井 一志 )
2005/11/09 18:09

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