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フォーティネット、“VoIP向けポート”を備えた高速セキュリティアプライアンス


FortiGate-1000A
 フォーティネットジャパン株式会社は11月24日、統合セキュリティアプライアンス「FortiGateシリーズ」の新製品として、「FortiGate-1000A」と「同-1000AFA2」を発表した。同日より販売を開始する。

 FortiGate-1000A/1000AFA2は、ミッドレンジ向けの統合セキュリティアプライアンスで、「FortiGate-1000」アプライアンスの後継にあたる。ファイアウォール、VPNだけでなく、ウイルス対策、迷惑メール対策、IDP(侵入検知・防御)、Webフィルタリングの計6つのセキュリティ機能を1つの筐体で提供する点が特徴で、新型ASICによって従来よりも処理能力を向上させている。

 インターフェイスは、両製品ともに1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応ポートを10基備え、マルチギガビット環境でのワイヤスピード処理を実現可能。またFortiGate-1000AFA2は、通常のポートに加えて「FortiAccel」技術を用いたGigabit(SFP)ポートを2基備え、音声、映像をはじめとするマルチメディアストリーミングで必要とされるショートパケットに対するパフォーマンスを高めたという。

 米Fortinetのアジア太平洋地域(APAC)担当バイスプレジデント、ハンセン・チャン氏はFortiGate-1000AFA2に関して「特に、ファイアウォール、ウイルス対策の両機能におけるVoIP処理能力を強化した。こうした機能は市場で必要とされている」と述べ、広く受け入れられるだろうという考えを示した。

 なお、FortiAccelポートはすでに大規模向けのセキュリティブレードシステム「ForiGate-5000」にも採用されているほか、「私見だが、今後は新製品への切り替えにあわせてほかの製品にも搭載されてくる可能性がある」(チャン氏)とのこと。


統合セキュリティ製品群としての完成度をアピール

米Fortinetのアジア太平洋地域(APAC)担当バイスプレジデント、ハンセン・チャン氏
 またチャン氏はFortinetの戦略についても解説を行った。現在ではレイヤ3レベルの防御を提供するファイアウォールだけではセキュリティが十分といえなくなったため、レイヤ7、つまりアプリケーションレベルで防御を提供する製品も登場している。チャン氏はIDP、ウイルス対策、迷惑メール対策、などと具体的な防御機能を挙げながら、「こうした製品を提供しているベンダは、単体ではすばらしいものを持っていても、統合製品としてはあまり提供できていないので、個別のアプライアンスを多数そろえる(ベストブリードの)アプローチになりがち」との状況を説明する。

 ところがここへ来てIT部門へさほど人を割けない中堅以下の企業を中心に、統合セキュリティ製品へのニーズが高まっていることから、「例えばウイルス対策ベンダが迷惑メール対策ベンダを買収したように、合併によって製品を補完しようとする企業が増えている」という。

 しかし、「2つの違った技術をあわせることは、同じ会社のものでも、最初から設定されたものでなければ難しいのに、違う会社のものであればなおさら難しい」と続けたチャン氏は、合併によるアプローチがうまくいかないことが多い点を指摘し、「当初から統合型のアプローチをコミットしてきたフォーティネットは、統合セキュリティ製品のあるべき姿に近いものを持っていると考えている」との点を強調した。

 「レイヤ3のファイアウォールからレイヤ7の各要素まですべてに対応しているということで、競合はとても多い。ただし、ターゲットにできる市場もまた多いということなので、機会にも恵まれるだろう」(チャン氏)。

 またフォーティネットジャパンのマーケティングマネージャ、菅原継顕氏は、6つの機能を統合した多機能性、迅速なシグネチャ提供と優れたヒューリスティックによる新たな脅威への対応の速さ、ASICによる高速性、無制限のユーザーライセンス、小さなものからISPレベルまでをそろえたラインアップの広さ、などをアピールして、国内のエンドユーザーへの訴求を図る考えを示していた。



URL
  フォーティネットジャパン株式会社
  http://www.fortinet.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.fortinet.co.jp/news/pr/2005/pr112405.html

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( 石井 一志 )
2005/11/24 16:33

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