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CSシリーズの上位製品、「CS2400」
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日商エレのセキュリティ事業部 営業グループ、榎本瑞樹チーフ
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日商エレクトロニクス株式会社(以下、日商エレ)は2月7日、米ConSentry Networksのセキュリティアプライアンス「CSシリーズ」を販売開始すると発表した。通常はエッジスイッチとコアスイッチの間に設置して利用する製品で、単に通信を制御するだけでなく、通信の中身を可視化する機能を備える。
CSシリーズは、ネットワークへの透過型設置が可能なセキュリティアプライアンス。同製品を通過するトラフィックを、Active DirectoryやRADIUSといった既存認証システムの情報と連携して、ユーザー/グループごとに、セキュリティポリシーに反する行為をリアルタイムに制御することができる。通信の中身を確認する際は、搭載しているディープパケットインスペクション(DPI)の分析機能によって、アプリケーションレベルまで把握することが可能だ。
「立派なポリシーを決めても、実際にそれが守られていない企業は多い。この製品では、ユーザー任せにせずにポリシーをシステマチックに適用できる。またパケットの中身までを見てアプリケーションごとに制御できるため、ゲストユーザーにはWeb利用のみを許可する、経理以外に会計アプリケーションを使わせない、などの細かな制御も可能だ」(日商エレのセキュリティ事業部 営業グループ、榎本瑞樹チーフ)。
通信の制御にあたっては、MACアドレス、IPアドレス、ユーザーID、アプリケーションなどを関連付けしていることから、DHCP環境でも確実な運用ができるほか、シグネチャベースではなく、トラフィックの“振る舞い”をもとにしたワーム拡散防止の機能も備えている。
また管理アプライアンス「InSight Manager」を併用すると、CSシリーズが取得したログをもとに、いつ、誰が、どういった行動をしたか、という点を可視化することが可能。これを応用すると、ポリシー決定前にまず両製品を導入してネットワークトラフィックを収集・分析し、誰がどういった行為をしているかという状況を把握した後で、その結果をもとにポリシーを決めていく、というような、柔軟な運用も行えるという。
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InSight Managerを利用すれば、GUIを用いて収集したログデータを参照できる。ドリルダウンも可能だ
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CSシリーズの導入イメージ。コアスイッチとエッジスイッチの間に配置するインライン型のアプローチをとる
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ConSentry Networksの会長兼CTO、ジェフ・プリンス氏
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もっともこうした機能は、必ずしも目新しいものではなく、従来でも実現することは不可能ではない。しかし榎本氏は、「ポイントソリューションを組み合わせれば同じことはできるが、1台のアプライアンスで手軽に導入でき、さらには価格が手軽でコストパフォーマンスがよい」とCSシリーズのメリットを強調。
加えて、インライン型の製品で課題となる性能面でも、「従来のセキュリティ製品はゲートウェイ型が多く、LANで必要とされるパフォーマンスに対処できない。当社製品は10Gbpsまで対応できるパフォーマンスがある」(ConSentry Networksの会長兼CTO、ジェフ・プリンス氏)、「レイヤ7までチェックする製品では問題となることが多い遅延も、(ワーストケースでも)0.5msにとどまっている」(榎本氏)と述べ、不安はないとした。なおインライン型製品でのもう1つの課題とされる可用性についても、2月中に対応される次期OSで冗長化に対応させてカバーするとしている。
ラインアップには、Gigabit Ethernetポート×24を持つ上位版の「CS2400」と、Gigabit Ethernetポート×10の下位版「CS1000」を用意。それぞれ10Gbps、2Gbpsのスループットを持ち、1000ユーザー、200ユーザーの同時アクセスに対応している。価格はCS2400が600万円から、CS1000が400万円から、InSight Managerが300万円程度から。日商エレでは、2006年度に10億円の売り上げを見込む。
■ URL
日商エレクトロニクス株式会社
http://www.nissho-ele.co.jp/
プレスリリース
http://www.nissho-ele.co.jp/press/goods/2005/0602_consentry.htm
( 石井 一志 )
2006/02/07 16:43
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