三井物産セキュアディレクション株式会社(以下、MBSD)は2月8日、米Voltage Securityが開発しているメール暗号化製品の新版、「Voltage SecureMail V2シリーズ」を販売開始すると発表した。
今回新版として提供が開始されるのは、ゲートウェイサーバー構築ソフト「Voltage SecureMail Gateway Server V2」と、クライアントソフト「Voltage SecureMail Desktop V2」の両製品。いずれも従来製品同様、メールアドレスなどの一般的な情報を公開鍵として暗号化を行う独自方式「Identity-Based Encryption」(IBE)を採用しており、一般に普及しているPKI方式と比べて、管理の手間を軽減できるという。
今回の強化点はいくつかあるが、大きく改善されたのは利便性になる。これまでのSecureMail製品で暗号化を行った場合は、判読不能なメッセージが受信者に見えてしまう問題があり、初めて暗号メールを受け取ったユーザーが混乱を来してしまう可能性があった。しかし新版では、HTMLメールによるグラフィカルなインターフェイスを提供できるため、そうしたユーザーも混乱なく復号作業を行えるようになったという。
また、Webブラウザを用いた暗号化メール送受信機能「Zero Download Messenger」にも改良を加え、認証・復号時の作業簡素化を実現したほか、暗号メールの転送防止機能が追加されている。加えてSecureMail Desktop V2においては、ユーザーの意志でメールの暗号化を行う機能と、管理者が作成したポリシーに基づいて、強制的に暗号化する機能が搭載され、より徹底した暗号化メールの運用が可能になった。
一方、Gateway Server V2には、OpenPGPやS/MIMEといった暗号化方式を用いたメールに対する送受信機能が新たに搭載され、IBE方式をサポートしていない暗号メール環境のユーザーとも、暗号メールをやりとりできるようにしている。
MBSDでは、2007年3月までに、1万5000ライセンス、5億円の売り上げを見込む。
■ URL
三井物産セキュアディレクション株式会社
http://www.mbsd.jp/
プレスリリース(PDF)
http://www.mbsd.jp/pdf/1139388341_4600.pdf
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( 石井 一志 )
2006/02/08 19:06
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