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ノキア、6Gbpsスループットを実現したミッドレンジ向けファイアウォール・VPN製品


Nokia IP560

シニアテクニカルマネージャーの安藤正之氏
 ノキア・ジャパン株式会社(以下、ノキア)は2月21日、中・大規模事業所向けのファイアウォール/VPNアプライアンス「Nokia IP560」を発表した。同製品はファイアウォールスループットが最大6Gbps(パケット長1518バイト時)、VPNスループットが最大1.9Gbps(同1450バイト時)と、従来の同等クラス製品の約10倍、上位製品の数倍にも及ぶ高速性が大きな特徴となっている。

 IP560は、チェック・ポイントのファイアウォール/VPNソフト「VPN-1シリーズ」を搭載可能なアプライアンス製品。小規模拠点向けからキャリアクラスまでさまざま用意されている製品群の中では中間に位置し、中・大規模の企業ネットワークでの使用を想定して提供される。

 1Uサイズのコンパクト筐体に、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポート×4を標準で備え、最大16ポートまで拡張可能。光ファイバーのGigabit Ethernet用モジュールにも対応する。最大の特徴は「設計が最も新しく、コストパフォーマンスが飛び抜けて良い」(シニアテクニカルマネージャーの安藤正之氏)こと。ミドルクラスの製品ながら、上位製品を上回り、同等価格の競合製品に数倍するスループットを実現したという。

 また、筐体内には標準でHDDを持たないフラッシュメモリベースの設計を採用。オプションでログ記録用のHDD×2を搭載することも可能で、将来的にはミラーリングもサポートする。もちろん、HDDを搭載しない状態でも、外部サーバーへログを送って記録する機能は備えている。

 価格は、ハードウェアと初年度サポートをあわせて324万9000円(税別)からで、これに加えて、VPN-1シリーズのライセンス費用が別途発生する。構成はさまざま可能だが、例として中小規模向けのVPN-1 Expressで約56万円から、大規模向けのVPN-1 Pro Gatewayと管理ツールをあわせた場合で約336万円からになるとのこと。

 単純なスループット性能比較では劣ってしまった上位製品「Nokia IP710」は引き続き販売される。安藤氏は、「IP710は、キャリアなどから求められる、冗長化電源のサポート、モジュールのホットスワップ、オンライン増設などに対応している」と、その理由を説明し、差別化は可能との見解を示した。


 ノキアではあわせて、最上位のファイアウォールアプライアンス「Nokia IP2250」向け10Gigabit Ethernet(GbE)オプションカード、「Nokia IP2250用10ギガビット・イーサネット・カード」を発表した。こちらは1ポートの10GbE(XENPAK)を備えた拡張カードで、1筐体あたり2枚まで実装することができる。「これによって、キャリアの幹線にもチェック・ポイントのセキュリティを導入することが可能だ」(安藤氏)。

 なおノキアでは今後のセキュリティ製品の展開も説明。管理機能を効率化することや、同社製品のUTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)アプライアンス化の可能性を示唆した。現行製品もアーキテクチャ的にはウイルス対策、スパイウェア対策などの機能付加は可能とのことで、パフォーマンス面に与える影響などを考慮しながら、機能付加で対応するのか、別製品として提供するのかなどを検討していく計画だ。

 また日本では、チェック・ポイント日本法人とのさらなる関係強化を行い、マーケティング活動や、販売代理店を支援する形での顧客アプローチを共同で実施していくという。さらに、顧客からの最新ニーズをくみ取って製品開発への反映を図るほか、よりタイムリーな製品投入の実現なども目指していくとのこと。



URL
  ノキア・ジャパン株式会社
  http://www.nokia.co.jp/

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( 石井 一志 )
2006/02/21 17:52

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