三菱商事株式会社、株式会社ティーディー・セキュリティ(以下、TDセキュリティ)、米Skybox Securityの3社は3月9日、SRM(セキュリティ・リスク・マネジメント)の分野で戦略提携したことを発表した。今回の提携により、米Skybox SecurityのSRMツール「Skybox View」を中心としたソリューションを提供する。
企業の情報システムは、さまざまな脅威や脆弱性にさらされているが、そのうちビジネスに深刻な影響を与えるものを見極めることは難しい。SRMは、こうした脅威や脆弱性に対して、対応する優先順位を経営の側面から明確にし、ビジネス上の被害を最小化するためのプロセスを構築していく情報セキュリティ管理手法。これを実現するツールがSkybox Viewになる。
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米Skybox Security ファウンダー兼CSOのGidi Cohen氏
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Skybox Viewは、SRMで求められる、評価、軽減計画、変更保証プロセスを自動化するスイート製品。脆弱性の優先順位設定、リスク軽減計画、パッチ削減計画といった脅威の管理を行うSkybox Secureと、ファイアウォールの監査、ネットワークポリシーの順守、変更の保証といった制御の管理を行うSkybox Assure、管理用のSkybox Dashboardなどから構成される。
米Skybox Security ファウンダー兼CSOのGidi Cohen氏は、「ネットワークモデリングの自動化や攻撃のシミュレーションが行えるのが特長。これにより、モデルの構築、シミュレーション、分析、改善計画、のサイクルを実現でき、継続的なセキュリティ対策が可能。またダッシュボードにより、セキュリティ対策の可視化が行え、現状を容易に把握できる」と説明する。
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ネットワークモデリング機能
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シミュレーション機能。危険度の高い経路は太く表示される
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今回の提携では、米Skybox SecurityはSkybox ViewのGUIの日本語化など日本市場に最適化された製品の開発を、TDセキュリティはSkybox Viewの国内総代理店として顧客や販売パートナーへの営業・技術支援・保守サポートなど国内でのサービス提供を、三菱商事は各種マーケティング・販売支援活動を展開する。
TDセキュリティ代表取締役社長の吉田宣也氏は、「セキュリティソリューションの強化を目指して、トランスデジタル株式会社からスピンアウトして新設されたのがTDセキュリティ。今回のSkyboxを皮切りに、三菱商事と協業しながらセキュリティ製品を手がけていく」と述べた。
三菱商事 宇宙航空機本部 応用ビジネスユニットマネージャーの中江剛介氏は、「総合商社はさまざまなリスク管理を行うことで、お客様のお役に立つように活動している。情報セキュリティも同じで、1997年から取り組んできている。今後も、情報社会で生きていく企業市民として取り組んでいく」とした。
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TDセキュリティ代表取締役社長の吉田宣也氏
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三菱商事 宇宙航空機本部 応用ビジネスユニットマネージャーの中江剛介氏
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価格は、Standard Editionが1316万5000円、ノード数無制限のEnterprise Editionが2632万5000円。また、同日サービスプロバイダ向けのProject Editionを4月1日より出荷することも発表された。Project Editionは、プロジェクトごとに用意されるライセンスで、ライセンスの有効期間を3カ月と短期間にすることで価格を抑えているのが特長。価格は、312万円(100ノード)から。
今回の提携により3社は2006年度に10億円の販売を目標としている。
■ URL
三菱商事株式会社
http://www.mitsubishicorp.com/
米Skybox Security
http://www.skyboxsecurity.com/
プレスリリース
http://www.transdigital.co.jp/ir/html/2006/20060307cooperation.html
( 福浦 一広 )
2006/03/09 18:15
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