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IronPort Mシリーズ
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アイアンポートシステムズ株式会社(以下、アイアンポート)は4月25日、同社製品を一元的に管理するためのアプライアンス「IronPort Mシリーズ」を発表した。価格は290万円から。また同時に、Webセキュリティに特化したアプライアンス「IronPort Sシリーズ」を、2006年第3四半期にも発売する予定であることを明らかにしている。
アイアンポートはコンテンツセキュリティを提供している企業で、主力製品である「Ironport Cシリーズ」は迷惑メール防御に特化したアプライアンスだ。MシリーズはこのCシリーズと連動して動作するもの。エンドユーザー自身による迷惑メール検疫機能などを提供することができる。今後はこの機能に加え、レポートの集中管理、ポリシーの集中管理、メッセージ監査の集中管理といった機能を追加していく予定で、より効率的な管理機能が提供できるという。
一方、SシリーズはWebセキュリティに特化したアプライアンス。同社ではCシリーズにおいて、IPアドレスごとの評価を蓄積したSenderBaseというデータベースによって迷惑メールか否かを判断する仕組みを提供しているが、今後はこれをWebセキュリティにも適用していくという。
たとえば、スパイウェアや迷惑メールの対策を考えた場合、メールの中のURLをクリックしてWebサイトからダウンロードさせる動作をするものは、メールセキュリティをすり抜けてしまうが、Webフィルタを備えるSシリーズを併用することにより、安全なアクセス環境が実現できるというのだ。
米IronPortのワールドワイドマーケティング担当上級副社長、トム・ギリス氏は「今日では、不正行為がビジネスとして行われるようになっているため、脅威が高度化している。これらに対処するためには、個別のアプリケーションに特化した製品が必要だ」と述べ、すでに単一の製品では脅威対処が間に合わなくなってきていると説明した。
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米IronPortのワールドワイドマーケティング担当上級副社長、トム・ギリス氏
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そのために投入されるSシリーズを支える技術は、前述のように、SenderBaseを活用した「Webレピュテーション」だ。Cシリーズではメール送信者を格付けすることで、“評判の悪い”送信者からのメールをブロックできるようになっているが、Webセキュリティでも同様にURLの信用度を評価。悪質とされるWebサイトへのアクセスをブロックすることで、フィッシングサイトやマルウェアを配布するサイトへアクセスできないようにし、ユーザーを被害から守るという。
ただし、すべての危険なWebサイトへのアクセスをレピュテーションではじけるわけではない。そこでアイアンポートでは、並列処理によって高速にWebストリーミングをスキャンするDVSエンジンと、マルチベンダのスパイウェアフィルタを組み合わせ、セキュリティレベルのさらなる向上を行えるようにしている。ギリス氏によれば、「スタート時には3社程度のフィルタエンジンを搭載できる見込みで、将来的には6社程度まで拡充する計画。それらの中から、利用するフィルタの組み合わせをユーザーが自由に選べるようにする」とのこと。
また、メール/Webのレピュテーションでは、文面やコンテンツの内容を評価してフィルタするのではないため、利用する言語に左右されないメリットがあるという。さらに、コンテンツによるフィルタリングも統合したいというニーズに応えるために、2006年下期には、WebSenceのコンテンツフィルタリングソフトをSシリーズに対応させる予定もあるとしている。
■ URL
アイアンポートシステムズ株式会社
http://www.ironport.com/jp/
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