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日立とマイクロソフト、電子割符を用いたExchange向けメール暗号化ソフト


 株式会社日立製作所は6月8日、マイクロソフト株式会社とともに開発したメールシステム上で、メールの情報漏えい防止を実現するソフト「メール割符 for Exchange Server」を6月12日から販売すると発表した。メッセージングソフトウェア「Microsoft Exchange Server」 (以下、Exchange Server)とクライアントメールソフトウェア「Microsoft Office Outlook」 (以下、Outlook) のシステム上で稼動する。

 メール割符 for Exchange Serverは、電子情報を任意に分割(割符化)し、意味のない分散情報にする「秘密分散法」を用いたOutlookのアドインソフト。解読に必要な数の分割データを集めなければ解読できない仕組みであるため、高いセキュリティを確保できる。

 ユーザーは、基本ソフトウェアを搭載した専用USBフラッシュメモリをPCに差し込み、Outlookのツールバーに表示されたボタンを押すだけですぐに利用ができる。メールの送信時には自動的にメールの本文と添付データが複数のメールに割符化される。受信時にはその割符化された複数のメールを受信後に復元し、本文や添付データの閲覧を可能にする。送受信したメールは、割符化された状態でパソコン内に保存されるため専用USBフラッシュメモリを抜くと復元できず、保存されているメールも閲覧ができなくなる。これにより宛先の間違いなどによる誤送信をしても受信者は閲覧できないほか、途中でメールを盗み見ることなどもできない。

 また、本製品では運用管理負担を軽減するためWindows Serverのディレクトリサービス「Active Directory」の機能であるグループポリシーを利用して、電子割符の使用制限設定などを一元的に管理できるようになっている。
 
 稼働環境は、サーバー側にActive Directoryを構築済みのWindows Server 2003とExchange Server 2003。クライアント側にWindows XP Professional SP2/Windows 2000 Professional SP4とOutlook 2002/2003。
 価格は、1クライアントあたり2万6250円からで、256MBの専用USBフラッシュメモリ、マニュアル、標準キッティングが含まれている。なお、このほか年間の保守費用が必要となる。



URL
  株式会社日立製作所
  http://www.hitachi.co.jp/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  ニュースリリース
  http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/06/0608.html


( 羽場 一樹 )
2006/06/08 14:18

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