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米SonicWALLが事業を拡大、メールセキュリティアプライアンスを出荷へ


SonicWALL Email Security 200

システムエンジニアリングマネージャの寺前滋人氏

SonicWALL Email Securityの管理画面
 米SonicWALLは7月13日、メールセキュリティアプライアンス「SonicWALL Email Security」を発表した。ファイアウォールをベースとした統合セキュリティアプライアンスと、SSL-VPN以外の製品を国内で販売するのは今回が初めてとなる。販売・出荷は8月下旬より開始する予定で、価格は、エントリーモデルのEmail Security 200で43万7000円(税別、50ユーザーまで)から。

 Email Securityは、迷惑メール対策などの機能を備えたアプライアンス。SonicWALLが買収した米MailFrontierの製品をベースに、同社がアプライアンス化した。標準で迷惑メール対策とフィッシング対策(フィッシングメールブロック)の機能を持つほか、オプションでメールウイルス対策機能、アーカイブを中心としたコンプライアンス対策機能を追加することができる。

 これだけではありふれた製品のように思えるが、「高機能ながら、小規模から導入可能な柔軟性を持たせている」(システムエンジニアリングマネージャの寺前滋人氏)点が特徴とのこと。寺前氏は、「50名程度の環境から導入できるラインアップをそろえ、しかも、エントリークラス製品に機能制限を設けている他社と異なり、全モデルでフル機能を提供する。最下位製品から、ユーザーごとのフィルタレベルカスタマイズなどが利用できるのは珍しい」と述べた。

 細かく機能を見ると、迷惑メール対策機能はカスタマイズされたベイジアンフィルタ機能を中核として、送信者評価のSender ID機能など3機能を組み合わせて迷惑メールを判別する。またフィッシング対策では、MailFrontierが開発した専用のエンジンを用いて、こちらもベイジアンフィルタを初めとする3つの機能を組み合わせて評価を行う。こうした組み合わせの手法によって誤検知を減らし、確実な検知を可能にするとのことで、全体、ユーザー単位で判別強度をカスタマイズして、必要レベルに応じた防御を選択することが可能になっている。もちろん、ホワイトリストやブラックリストといった従来の手法を導入することもできる。

 オプションのウイルス対策では、McAfeeとKasperskyのエンジンを選択でき、両者の併用にも対応。シグネチャベースの検知だけでなく、アノーマリ検知による2つの保護機能も備えており、ウイルスが発生してからシグネチャが提供されるまでの間も防御を提供できるという。

 また「従来は外側からの脅威に対する対応が中心だったが、内側から外側への不審なメールを防ぐことが、今後は要求されてくるだろう」(寺前氏)との立場から、これらの機能は、受信時だけでなく送信時に動作させることが可能。あわせて、一定時間に大量のメールを送信しようとしたり、ユーザー登録がないアドレスからメールを送信しようとしたり、といった挙動を監視する機能も備え、Botに感染した端末を発見することもできるようになっている。

 なお、利用にあたってはディレクトリサーバーとの連携が必須になっており、Active DirectoryやiPlanet、OpenLDAPなどとの連携をサポートする。これについて寺前氏は「メールセキュリティの確保には、メールボックスがあることが前提になるだろうから、LDAPとの連携がベスト。ユーザーデータベースを二重に持つ煩雑さを避けられるメリットもある」と述べた。



URL
  米SonicWALL(日本語)
  http://www.sonicwall.com/japan/


( 石井 一志 )
2006/07/13 17:03

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