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「簡単な手法でネットワークセキュリティを確保」-米ConSentryが説明


会長兼CTOのジェフ・プリンス氏

セキュアLANコントローラ「CS2400」
 米ConSentry Networks(以下、ConSentry)は7月20日、自社製品のコンセプトなどを説明するプレスセミナーを開催。会長兼CTOのジェフ・プリンス氏が、主力製品であるセキュアLANコントローラ「CS2400」などについての説明を行った。

 プリンス氏によれば、接続者や方法が多様化する現在のネットワークでは、セキュリティ機能をLANの中に組み込むことが重要になっているが、既存の技術ではさまざまな課題があったという。例えば、IEEE 802.1Xスイッチへの置き換えが発生したり、エンドポイントソフトをPCにインストールする必要があったり、認証のためのサーバーが必要だったり、という具合である。しかも、「このように認証ができても、コントロールのためにはファイアウォールやIPSが必要であり、また、十全に対応するのは難しい。展開・管理も難しく、有効性に欠ける」(プリンス氏)。

 そこで同社では、透過型の設置が可能で、既存環境をそのまま活用できるセキュアLANコントローラを提供することで、問題を解決しようとしている。セキュアLANコントローラは、コア/アグリゲーションスイッチの背後に設置して、そこを経由する通信を制御するセキュリティアプライアンス。国内では、ノックスや日商エレクトロニクス、マクニカネットワークスをパートナーとして販売されている。アプリケーションをポートレベルではなく振る舞いなどから判別できる点が強みだ。日本担当セールスディレクタの遠藤廣司氏は「複雑でないネットワークの構成でセキュリティを確保する」とセキュアLANコントローラによる同社の手法を評した。

 一方、6月のInterop Tokyo 2006で参考出品されていたセキュアLANスイッチは、スイッチにセキュアLANコントローラの機能をすべて搭載したもの。セキュアLANコントローラではネットワークエッジだけを流れる通信を制御することはできないため、ConSentryではセキュアLANスイッチを用意した。大まかにいえば、ネットワークのコア部分でコントロールを行うのがセキュアLANコントローラの役割、エッジ部分で細かな制御を行うのがセキュアLANスイッチの役割、というすみ分けになる。アジアパシフィックのシステムエンジニアリングディレクタ、菅沼猛氏は「既存スイッチを置き換えても細かい制御をしたいというユーザーに、セキュアLANスイッチを勧めることになる」と説明した。セキュアLANスイッチは国内では9~10月ごろに発売される予定である。


「可視化」機能によって、どのユーザーがどういった行動をしているかを逐一知ることができる
 プリンス氏はまた、この両製品で用いている技術について、1)NAC(Network Admission Control)、2)可視化、3)ユーザーアクセス制御、4)脅威制御、の4つを柱だと説明する。NACは認証制御の部分で、ユーザー環境にあるActive DirectoryやRADIUSを利用した認証を行えるほか、そうした認証手段を持たないユーザーのためにWeb認証を用意した。また検疫も可能となっており、チェックポイントからIntegrity Clientless SecurityのOEMを受けて製品に組み込んでいるほか、NTTデータのNOSiDEとも連携可能という。

 2)では、ユーザーとMACアドレス、IPアドレスを結びつけて管理することで、いったんネットワークへ入ってきた後のすべての行動を可視化することを可能にした。また3)では、あらかじめ定義されたロールに従って、きめ細かい制御ができることも特徴。利用アプリケーションが特定可能なので、単にユーザーを部署ごとにセグメント化して利用制限をするだけでなく、どのアプリケーションの中のどのファイルにアクセスできるか、というところまでを制御できるとのことである。

 価格は、エントリーモデルのセキュアLANコントローラ「CS1000」で400万円程度から。セキュアLANスイッチの価格はまだ検討中としている。



URL
  米ConSentry Networks
  http://www.consentry.com/

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( 石井 一志 )
2006/07/20 17:13

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