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ScreenOS 5.4に対応するプラットフォームの1つ、Secure Service Gateway 550
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ソリューションマーケティングマネージャーの近藤雅樹氏
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ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は9月1日、ファイアウォール製品向けの専用OSの新版「ScreenOS 5.4」を発表した。UTM(統合型脅威管理)機能を拡張した点が特徴。保守に加入している既存ユーザーは無償でダウンロードできるが、UTM機能は有償オプションとなる。
ScreenOSは、ジュニパーの製品のうち旧NetScreen系列製品で利用されるOSで、ファイアウォールアプライアンス「NetScreen」、統合型セキュリティゲートウェイ「Secure Service Gateway(SSG)シリーズ」などが対象製品。機能としては、一般的なファイアウォール、VPN機能、IDP機能のほか、ScreenOS 5.0からは、アプリケーションレイヤを保護するセキュリティ機能「Deep Inspection」をサポートした。
今回の機能強化のうち最大の点は、UTM(統合型脅威管理)機能を拡張したこと。標準のセキュリティ機能、これまでサポートしていたWebフィルタリング機能に加えて、NetScreen 5GTのみが対応していたウイルス対策機能と、迷惑メール対策機能を追加している。これらの機能はすべて、自社ではなく協業しているベンダの製品を用いる形となり、迷惑メール対策はシマンテック、ウイルス対策はKaspersky、URLフィルタリングはWebsenseもしくはSurfControlを利用できる。
ソリューションマーケティングマネージャーの近藤雅樹氏は、「他社のUTM製品はパフォーマンスが落ちる、機能が一部制限されるなど、現実的ではない面があった。しかし当社の製品では、専門ベンダと提携することで高機能を提供できる。パフォーマンス面でも問題はない」と優位性を主張した。
Frost and Sullivanの調査・予測によると、ファイアウォール/VPN機能のみの製品市場はほぼ横ばいで推移するのに対し、UTMアプライアンスは2008年まで年平均成長率31%、セキュリティ機能統合型ルータ/スイッチは同じく26%と、高い成長が見込まれている。またIDC Japanの予測では、2007年にはUTMの市場規模が単機能なファイアウォールの市場を抜くとされるなど、今後は統合型の製品の方が発展が見込まれる状況だ。
ジュニパーでは2月に発表したSSGシリーズでセキュリティ機能統合型ルータの市場をカバーするほか、今回のScreenOS 5.4によるUTM機能サポートで、UTM製品に対するニーズを拾い上げ、市場の成長に追随してビジネスを発展させたい考えである。「統合製品の方が、個別に購入するよりも価格的に優位にある。金額を考えて買い控えていたユーザーにも訴求できるのではないか」(近藤氏)。
なおScreenOS 5.4ではUTM機能のサポートのほか、SSGシリーズの検疫ネットワーク対応強化、Cisco Skinnyのアプリケーションゲートウェイ、拡張SIP対応によるVoIP機能強化、ルーティング機能と仮想化機能の強化といった改善も同時になされているとのこと。
UTM機能の対象製品は、SSGシリーズと、NetScreen-5GTシリーズ、NetScreen-Hardware Security Clientの各製品。
■ URL
ジュニパーネットワークス株式会社
http://www.juniper.co.jp/
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( 石井 一志 )
2006/09/01 17:20
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