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ジュニパー、UTMアプライアンス「SSGシリーズ」を拡充、中小企業向け製品を追加


Secure Services Gateway 5(無線LANなしのモデル)

技術本部の小澤嘉尚副本部長
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は10月3日、セキュリティアプライアンスの「Secure Services Gateway(SSG) 5」「同 140」の両製品を発表した。既存製品である「SSG 500」の下位に位置付けられるモデルで、9月に発表された新OS「ScreenOS 5.4」を搭載し、UTM(統合脅威管理)アプライアンスとして利用できる。

 SSGシリーズは、セキュリティゲートウェイアプライアンスのWANインターフェイスを拡張した製品群。技術本部の小澤嘉尚副本部長によれば、ファイアウォール/VPNアプライアンスの市場は依然として成長を続けており、中でも統合型に対するニーズは高いという。また2000ドル以下の中小企業向け製品もファイアウォール製品の中でもっとも高い成長率を記録している状況。Netscreen製品群でも「Netscreen 5GT」のようにこのレンジを対象とした製品が提供されているが、さらなるニーズの多様化に対応するため、WAN回線・プロトコルへの対応を強化したSSGシリーズを拡充した。

 そうした背景で提供される今回の新製品では、従来製品同様、ファイアウォールやIPsec VPNの機能に加えて、ディープパケットインスペクション、DoS防御などの機能を搭載している。またオプションで、Kaspersky Labsのエンジンを利用したウイルス対策機能、Symantecのフィルタを利用した迷惑メール対策機能、SurfControlやWebsenseのフィルタを用いてのURLフィルタリング機能なども追加でき、Netscreen 5GTなどと同様、UTMアプライアンスとして用いることが可能だ。

 新製品のうちSSG 5は、最大50名程度までの小規模環境に向けたボックス型の製品。Netscreenシリーズとの違いはEthernet以外のWANインターフェイスを持つ点で、3種類のWANインターフェイス(ISDN BRI、V.92、RS232シリアル/AUX)と無線LAN(IEEE 802.11a/b/g)の有無の組み合わせで6モデルが用意された。100BASE-TX/10BASE-Tポート×7も備える。ファイアウォールスループットは最大160Mbps、VPNスループットは最大40Mbps。

 一方のSSG 140は1Uラックサイズのモジュラー型製品で、SSG 5よりも少し大きな中規模環境を対象とする。インターフェイスは100BASE-TX/10BASE-T×8と1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×2、拡張スロット×4を標準で搭載。拡張スロットには、SSG 500シリーズなどと共通のT1、E1、ISDN BRI、シリアルの各インターフェイスカードを増設できる。ファイアウォールスループットは最大350Mbps、VPNスループットは最大100Mbps。

 ジュニパーでルータといえばJUNOS搭載製品がまず思い浮かぶが、セキュリティアプライアンスで利用されるScreenOS 5.4も、OSPF、BGP、RIPをサポートできるなど、他社製品に比べてネットワーク機能は充実しているという。ジュニパーでは同OSが持つ豊富な機能を前面に出し、セキュリティルーターとしても販売を促進したい考え。小澤氏はまたSSGシリーズを「ウルトラUTM」と表現。「スピードが劣化しないわけではないが、パフォーマンスを損ないにくいUTMだ。豊富な機能を持っており、UTMでは後発だが自信を持って出していける」とアピールしていた。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2006/pr-061003.html

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( 石井 一志 )
2006/10/03 16:38

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