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Clearswiftの製品マーケティング担当ディレクター、アンディ・モリス氏
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MIMEsweeper Email Appliance
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クリアスウィフト株式会社は、メールセキュリティアプライアンスの新版「MIMEsweeper Email Appliance」を12月1日より提供開始する。これは、従来製品「MIMEsweeper SMTP Appliance」の後継であり、各種機能が強化されている。今回は、この製品や同社の戦略について、Clearswiftの製品マーケティング担当ディレクター、アンディ・モリス氏に話を聞いた。
モリス氏によれば、メールセキュリティにおける顧客のニーズは、“戦術的”なものと“戦略的”なものの、2つに大別することができるという。具体的に何を指すかというと、前者は「迷惑メール対策」の機能で、Email Applianceでは、これまで備えてきた機能を受け継ぐとともに、「メールをやり取りしている相手が有効なビジネスの相手かどうかを確認する、信頼度評価機能のTRUSTmanagerを備えた」(モリス氏)。
一方の戦略的な機能とは、知的財産を保護し、社内からの情報漏えいに備える「情報保護」機能のこと。最近は迷惑メール対策機能の進化が著しいため、そちらに注目が集まりがちであるが、クリアスウィフトにとっては「当社のビジネスの9割が情報の保護から発生する」(クリアスウィフト日本法人のマーケティングディレクター、宮本哲也氏)というほど、重要な要素だという。
もちろん、ユーザーである企業にとっても大事な要素であることは言うまでもなく、日本市場でも要望が強いという。今回の製品では、これまで培ってきたフィルタリング機能を受け継ぐとともに、最新のOffice 2007フォーマットをサポート。また、重要情報の誤送信を防ぐ機能を盛り込んだ。この機能を利用すると、誤った送信先にメールを送ったり、重要なファイルを誤ってメールに添付してしまったり、といったことを防げるように、あらかじめ管理者が設定した時間、ゲートウェイにメールを保留することができる。「経験則に基づくと、送信ボタンを押した瞬間に『あっ』と誤りに気付くことが多い。この機能によって、誰にどういったメールを送るかという制御を強化できる」(モリス氏)。
あわせてモリス氏は、「当社はもともと軍事向けの製品を提供するために設立されており、その用途に耐えうる製品を政府や情報機関などにも提供している。その基盤が大きな他社との違い。英語のWebサイトでは、不適切な内容のメールやウイルスメールをきちんとはじけるかどうかを試す脅威テストの結果を公開しており、当社が言っていることが正当であることを確認していただける」と述べ、製品をアピールした。
またクリアスウィフトでは、1社だけですべてを提供するのではなく、アライアンスによって包括的なソリューションを提供できるようにもしている。日本でも、10月にALSIと提携し、同社の情報漏えい防止ソリューション「DocumentSecurity」で暗号化されていないファイルをメール送信できないようにしたほか、11月28日にはNECとの提携を発表。こちらでも、NECの情報漏えい対策ソリューション「InfoCage」との連携で、InfoCageで保護されたファイル以外はメール送信できないようにすることを可能にするなど、広くパートナーシップを開拓している。
モリス氏はこうした戦略について「日本では、例えばJ-SOX対応などにおいて、日本企業にしかわからないニーズがある。国内向けの製品開発もしており、日本の顧客のニーズをつかんでいきたい」と話す。宮本氏も、「ワールドワイドでは当社製品は迷惑メール対策としても売られているし、その面で機能が充実しているのは確かだが、国内では送信メール管理のために多く導入されている実績がある。(日本企業との協業における)保護されていないファイルは出さないという機能も、送信メールの管理に、実際広く使われているから出てきたニーズに応えたものだ」と述べている。
もっとも、情報保護というものはメールだけをカバーすればいいのではない。クリアスウィフトでは今週、URLフィルタリング機能に加えて、情報保護のためのスパイウェア対策機能などを備えるWebセキュリティアプライアンスを米国で発表し、製品の拡充を図っている。さらに今後はIMやVoIPも含めたコミュニケーション全般の保護のために、製品を順次投入する構えだ。
「当社の強みの1つは、ITスタッフでない人間でもポリシーを実施できるような簡便なツールを用意していること。知的財産の保護や情報漏えいはIT部門ではなく、コンプライアンスの担当者やその他の経営幹部などがもっとも責任を追及される分野なので、そうした人でも扱えるようにしている。また、Webベースであろうと、IMベースであろうと、共通したインターフェイスで管理を行えるようにもしていく」(モリス氏)。
■ URL
クリアスウィフト株式会社
http://www.clearswift.co.jp/
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・ NEC、セキュリティ製品「InfoCage」との製品連携を目指すパートナー制度(2006/11/28)
( 石井 一志 )
2006/11/28 17:18
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