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東北大学とNEC、盗聴に強い音声通信向けセキュリティ技術を開発


 東北大学電気通信研究所と日本電気株式会社(NEC)は1月26日、VoIPなどインターネット上の音声通信のセキュリティを向上させる技術を開発したと発表した。今回の技術は、東北大学電気通信研究所の音声信号秘密分散共有技術とNECのマルチパスルーティング技術を融合させて実現したもの。

 秘密分散共有技術は、元のデータを複数の分散データに分けることで機密性を高める技術。分散データのうち、複数のデータを組み合わせなければ元のデータに復元できないため、ひとつの分散データを紛失しても元のデータの情報を推定不可能なのが特徴。一方のマルチパスルーティング技術は、複数のルートでデータ転送を行う通信技術。これまでは、複数経路伝送による負荷分散技術としてや、ネットワーク障害時の通信断絶を行わないための技術とされていたが、音声通信のセキュリティ向上で利用しているのが特徴。

 今回発表された技術は、音声データに対して秘密分散共有を行い、分散データをマルチパスルーティングにより別々のルートで転送。これにより、分散データを盗聴しただけでは原理的に音声データに復元不可能となっている。また、盗聴のためには、物理的に異なる複数のルート上でハッキングを行わなければならないため、事実上盗聴が不可能となっている。そのほか、データ量の増加を抑える技術もあわせて開発することで、従来の手法と比べて約50%までデータの増加量を抑えている。



URL
  東北大学電気通信研究所
  http://www.riec.tohoku.ac.jp/index-j.html
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0701/2605.html


( 福浦 一広 )
2007/01/26 17:09

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