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バラクーダ、巧妙化する画像スパムへ対抗する新技術-スパム対策製品に搭載


 バラクーダネットワークスジャパン株式会社(バラクーダ)は3月14日、急増する巧妙な画像スパムに対応する新たな防御技術を開発、「Barracuda Spam Firewall」に搭載したと発表した。

 同社はこれまでにもいくつかの画像スパムに対する防御施策を発表してきた。代表的なのが、2006年7月に発表された光学式文字認識(OCR)を利用した防御法だ。

 今回発表されたのは、このOCRを利用した第三世代の防御技術。

 初期の典型的な画像スパムでは、スパムフィルタのテキストルール処理によってはじかれないよう、テキストを画像に置き換えるといった手法がとられていた。これに対応するのが第一世代のOCR防御技術で、OCRによって画像内のテキストを認識するといったものだった。これにより、単純にテキストを画像に置き換えただけの画像スパムは、フィルタをすり抜けることが困難となった。

 これを受けてスパム送信者は、第一世代のOCR防御技術をかいくぐるため、アニメーションGIFファイルを作成してコンテンツを複数のフレームに分けて表示するという手段を講じた。さらに、画像内のテキストに線や斑点を加えたり、その他の加工を施すことで、テキストを判読しづらくしようとした試みもなされた。同社では、これに対応するため、テキストの難読化技術に対応した第二世代OCRエンジンを開発、ファジーロジック機能などを搭載してきた。

 そして、今回の第三世代のOCR防御技術では、マルチパスエンジンを搭載。画像を正規化するための前処理を行うことで、最終的なOCRによるスパム認識精度を向上した。特に、テキストと背景の色彩を極端なコントラストとすることで判読を困難にした画像スパムに効果的だという。これにより、同社では画像スパムの95%以上を正しく識別できるとしている。

 また同社では、この技術を利用して、ハニーポッドや世界中の顧客に利用されている4万台以上のシステムから収集した画像スパムのサンプルを分析。これらの画像のフィンガープリントを生成して、Barracuda Spam Firewallに配信することで、ウイルス対策におけるシグネチャのように既知の画像スパムを識別する機能を提供している。

 同技術は、Barracuda Spam Firewall搭載のファームウェアv3.4.10以降を使うことで、利用可能とのこと。



URL
  バラクーダネットワークスジャパン株式会社
  http://www.barracudanetworks.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.barracudanetworks.com/ns/news_and_events/index.php?nid=147


( 川島 弘之 )
2007/03/14 12:33

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