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狩野英樹取締役
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株式会社ネオジャパンは5月9日、迷惑メール対策のASPサービス「Opt Plus ASPサービス」を開始すると発表した。同サービスは、韓国Nurivisionが開発した「Opt Plus」を利用して迷惑メール対策を行うASPサービス。同社のASPサービスである「Applitus」の1サービスメニューとして提供する。
一般に迷惑メール対策は“迷惑メール”と見なしたメールをブロックする、ブラックリストを基調とした方式で行う製品が多いが、この方式では、「グレーゾーンのメールは通してしまうし、あとから追いかけて対策する(ブラックリストへ追加する)ため、100%の対策はあり得ない」(狩野英樹取締役)。
ところがホワイトリストを基調とする方式では、ホワイトリストに登録された“信頼できる”送信元からのメールのみを通過させ、グレーなメールは隔離するため、迷惑メールを確実にブロックすることが可能だ。
では、なぜこうした手法を採用するベンダが少なかったのか。狩野氏は、グレーゾーンと見なされて隔離されたメールに対して、いちいちユーザーや管理者が手動で配信を許可する・禁止するという処理を行わなければならなかった点を指摘。「ホワイトリストをできるだけ自動化できないか、という点に注目した。Opt Plus ASPサービスが採用している『バウンシング・フィルタ』は、送信者自身に認証をしてもらうことで、ユーザーの負担を軽減している」と述べた。
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バウンシング・フィルタの動作イメージ
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送信者がアクセスする認証ページ
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Opt Plus ASPサービスでも、ディクショナリアタックチェック、ウイルスパターンチェック、スパムパターンチェックという3つのエンジンで、ブラックリストベースのフィルタリングを利用しており、これらによって明らかな迷惑メールをブロック。その後に「バウンシング・フィルタ」を利用するホワイトリストベースのフィルタをかけることで、100%の迷惑メールブロック率を実現しているという。
このバウンシング・フィルタは、1)ホワイトリストにない送信者からユーザーへメールが送信されると、メールを隔離、2)送信者へ認証を促すメールを自動返信、3)送信者自身が認証作業を実施、4)隔離されたメールをユーザーへ配信、という手順を踏むことで、ユーザーや管理者にまったく負荷をかけずに迷惑メールをブロックできる。
あわせて、定期的にユーザーへ配信される「ペンディングリスト」を利用すれば、システムにログインすることなく、メール上から直接メールの配信指示をかけることも可能だ。もちろん、一般的な迷惑メール対策製品同様、ホワイトリストをインポートしたり、隔離したメールの配信許可・禁止を一般ユーザーや管理者が行う機能も備えた。
すでに数社で行っているトライアルでも、こうした仕組みをすり抜けた迷惑メールはまったくないとのこと。ネオジャパンでは、一定条件のもとで迷惑メールがユーザーに届いてしまった場合の「返金プログラム」まで用意する熱の入れようである。
価格は、初期設定費用が8400円(~50アカウント)、事前ホワイトリスト登録作業料が2万1000円、事前ポリシーグループ登録作業料が2万1000円、月額費用が1ユーザーあたり420円。MXレコードが書き換えられるメールサーバーであれば、他社のメールサーバーにも対応できるが、Applitusユーザーに対しては月額費用を半額に割り引く。
またWebメール「Denbun」とOpt Plus ASPサービスを組み合わせた専用レンタルサーバーサービス「Denbun+Opt Plus ASPメールサーバサービス」も提供する。こちらは、容量250GB、100アカウントで初期費用が10万2900円、月額費用が7万3500円より。
■ URL
株式会社ネオジャパン
http://www.neo.co.jp/
プレスリリース
http://www.neo.co.jp/news/070510.html
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( 石井 一志 )
2007/05/09 18:43
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