アルプスシステムインテグレーション株式会社(以下、ALSI)は5月10日、情報漏えい対策ソフトの新版「DocumentSecurity ver3.5」を発表した。7カ国8言語に対応した点が特徴。6月1日より販売を開始する。
DocumentSecurityは、文書ファイルのアクセス制御を行うための製品で、ファイルを暗号化して、その重要度に応じた権限設定を行えるようにする。具体的には、閲覧、編集、保存といった作業を制限可能。USBメモリやCD-Rといった外部メディアへの保存禁止による持ち出しの制御、外部のユーザーに提供するドキュメントを専用の文書形式に変換し、閲覧や印刷回数、閲覧期限などの条件を付与する設定も行える。また、閲覧権限や指定条件による自動破棄の機能も備えており、作成から廃棄までの総合的なライフサイクル管理を実施できるという。
「情報漏えいの防止と使い勝手の良さを両立する製品を目指した。また、既存システムとの連携にも力を入れている」(セキュリティソリューション部の杉本浩信部長)。
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英語表示のコンソール画面
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代表取締役社長の大喜多晃氏
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今回の新版では、日本語、英語に加えて中国語(繁体・簡体)、韓国語、ドイツ語、フランス語、チェコ語といった7カ国・8言語のOSに対応したことが大きな強化点。杉本部長は、「海外拠点には暗号を解除して送付したり、各国の製品をばらばらに導入したりしていた。しかし、業務効率が落ちるほか、コンプライアンス強化、グループ統制の厳格化といった流れの中で、このままでは対応が難しくなっている」との現状に触れ、新版提供の背景を説明した。
多言語対応の強化により、グローバル企業の海外拠点において、現地語で作成されたドキュメントの利用状況の把握が可能になった。また、暗号化ドキュメントを海外拠点間でも共有できるようになったため、グローバルな環境でもDocumentSecurityを使った情報漏えい防止環境の構築を行える。なお利用にあたっては、クライアントソフトは各言語版をそれぞれ用いるが、サーバー側のソフトは多言語に対応するとのこと。管理ツールは、日本語と英語に対応する。
代表取締役社長の大喜多晃氏は、「企業のセキュリティは強化されてつつあるとはいえ、人為的ミスや悪意ある行為などによる情報漏えいは減少傾向になっていない」との現状を指摘。「今回のバージョンアップによって、海外に営業拠点や製造拠点を持つグローバル企業でも、日本と共通のセキュリティ対策を実現できるよう、多言語対応をした」と述べている。
価格は183万7500円(50クライアントライセンス)から。ALSIでは、企業、官公庁などを中心に販売を進め、初年度100万ライセンス、20億円規模の売り上げを見込む。
■ URL
アルプスシステムインテグレーション株式会社
http://www.alsi.co.jp/
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( 石井 一志 )
2007/05/10 16:03
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