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ウェブセンス、ネットワークからの情報漏えいを遮断するソフト


米Websenseのセキュリティプロダクトグループ ディレクター、デビン・レッドモンド氏
 ウェブセンス・ジャパン株式会社(以下、ウェブセンス)は5月22日、情報漏えい対策ソフト「Websense Content Protection Suite」を発表した。2007年第3四半期の発売を予定する。

 Websense Content Protection Suiteは、社内ユーザーが機密情報を外部へ送信することを防ぐための製品で、「27以上の特許を申請している」(米Websenseのセキュリティプロダクトグループ ディレクター、デビン・レッドモンド氏)独自のフィンガープリンティング技術、「PreciseID」を用いる点が特徴。まず、手動もしくは一定のポリシーに従って自動で登録された機密情報ファイルをもとに、電子的な特徴をとらえてフィンガープリンティングデータベースを生成する。

 その後、エンドユーザーがネットワーク経由でデータを送信する際に、このデータベースと照らし合わせ、該当する情報の外部への送信をシャットアウトしたり、ログに記録したりするという仕組みになっている。レッドモンド氏によれば、フィンガープリントを用いるウェブセンスの方式では、アプリケーションやデータベースなどの形式にとらわれずにデータの照合が可能なことに加えて、キーワードパターン照合や正規表現照合と比べ、高速かつ低負荷、照合ミスが少ない、などの優位点があるという。

 ユーザーはこうした特徴を持つWebsense Content Protection Suiteを用いることで、企業のポリシーに従ったデータ保護を実現し、Web、メール、IM(インスタントメッセージング)、FTP、ネットワーク印刷といった手段から情報が漏えいすることを防止できる。また設定も簡素化されているほか、150以上の定義済みポリシーを備えており、数度のクリックで必要な設定を完了するとのこと。

 「情報漏えいといった場合に、多くの人がノートPCの紛失と考えがちだが、大半の情報漏えいはWebやメールなどを通じてだ。当社の製品では、間違ったメールを送ってしまったり、間違った添付ファイルを間違った送付先に送ってしまったり、といった不慮の事故から、スパイウェアによる漏えい、不注意なデータの持ち出し、データの盗難などを総合的に防止できる」(レッドモンド氏)。

 また、今現在の状態や過去のログを参照できるほか、Webプロキシや暗号化、DRMシステムとの統合もサポートしており、包括的なソリューションとしての運用も可能になっている。


ウェブセンスの代表取締役、後藤聖治氏
 従来、ウェブセンスといえばURLフィルタリングのリーディングベンダとして認識されており、情報漏えい対策製品のベンダとしての認知度はまだまだ低い。この4月に同社の代表取締役に就任した後藤聖治氏は、「情報漏えい対策製品の発表により、大きく柱を立てることになる。Webセキュリティだけでなく情報漏えい対策のプレイヤーであるということをきちんと認識していただくことを活動の中心に据える」と話す。

 また、URLフィルタリング製品については、「日本企業も海外へ進出しているが、ワールドワイドで実績のある当社製品は一番調達しやすい。またデータベースの質の高く、2400万サイト以上を網羅している。海外で使う際にも安心して利用できる」とアピール。「エンタープライズ市場の導入率はほぼ100%になっている一方、それ以下の企業ではまだ伸びる余地がある。もっともっとSMBにもリーチしていきたい」と述べた。さらに後藤氏は、「購入いただいた顧客へのトレーニングを強化し、製品の機能すべてを使い切っていただけるようにする」とし、顧客満足度を上げる活動にも注力する考えを示している。



URL
  ウェブセンス・ジャパン株式会社
  http://www.websense.co.jp/

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  ・ ウェブセンス、Webフィルタリングソリューションを完全日本語化へ(2006/09/07)


( 石井 一志 )
2007/05/22 16:25

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