株式会社ディアイティ(dit)は6月5日、企業に求められるIT統制の実現に最適なエンタープライズセキュリティソリューション2種を7月から販売開始すると発表した。販売を開始する製品は、Celestix Networksが開発したMicrosoft ISA Serverアプライアンス「MSA 5000/6000シリーズ」と、Netcube Technologiesが開発したユーザー認証サーバー「EAS-PRO/EAS-ENTERPRISE」。製品発表会には、各製品の開発元からそれぞれ社長が出席し、新製品の概要などを説明した。
|
Celestix Networksのヨン・タイ・リン社長
|
|
MSA 5000/6000シリーズの外観
|
1つ目の新製品MSA 5000/6000シリーズを開発したCelestix Networksは、米MicrosoftのOEMパートナーで、シンガポールに本社を置く。広範囲なセキュリティアプライアンスとターンキーセキュリティソリューションを提供しており、2006年度にセキュリティアプライアンスで3600台以上の出荷実績をもつ。2007年度は6000台以上の出荷を見込み、今後5年間で10万台の出荷を目指すとしている。
MSA 5000/6000シリーズは、複数拠点で事業展開を行う企業向けのMicrosoft ISA Serverアプライアンス。ラインアップとして、ISA Server 2006 Enterprise Editionを搭載した「MSA5000e/6000e」と、ISA Server 2006 Branch Office Editionを搭載した廉価版「MSA3000b/4000b」の計4製品を用意。MSA5000e/6000eのCSS(Configuration Storage Server)機能を使用することで、ネットワーク上にあるすべてのMSA3000b/4000bの設定を一元管理することが可能となる。
Celestix Networksのヨン・タイ・リン社長は、「新製品はコンパクトで非常にセキュリティ性の高いアプライアンス。本社にMSA5000e/6000eを、拠点や支店にMSA3000b/4000bを配置することによって、管理者は複数拠点におけるサーバー設定の維持管理の一元化とコスト削減を同時に実現することができる」としている。
主な特徴として同社長は、Webユーザーインターフェイス(UI)を使った簡単設定、コンテンツフィルタ機能(SurfControl/Websebse)およびアンチウイルス機能(Kaspersky)、帯域幅マネージメント機能、障害時のリカバリ、サポート窓口の一元化などを挙げる。また最上位モデルのMSA6000eは次世代アプライアンスプラットフォーム「Scorpio-X」の2Uタイプで、電源冗長化にも対応したという。
さらに、Web UIを利用したOSおよびISA Serverの自動パッチ適用システムを備えているのも重要なポイントで、「当社が事前にOSやISA Serverのアップデートをスクリーニングし、必要なパッチだけを自動的に適用するメカニズムを実現している。さらに、MSA SMTPアラートエンジンを利用して、管理者にアップデートのタイミングを通知することで、単純明快なアップデートサービスを提供する」(リン社長)と述べた。
販売価格は、MSA5000e/6000eが258万円から、MSA3000b/4000bが128万円から。販売目標は初年度100台。
|
Netcube Technologiesのドン・ホユ社長
|
|
EAS-PRO/EAS-ENTERPRISEの管理画面イメージ
|
もう一つの新製品「EAS-PRO/EAS-ENTERPRISE」は、韓国ソウルに本社を置くNetcube Technologiesが開発。同社はセキュリティ、特に認証システムに特化した企業で、Wi-FiやWiMAX、CDMA2000、W-CDMAなどのワイヤレスコミュニケーションシステムの認証およびセキュリティに関する技術を開発提供している。
今回発売するユーザー認証サーバーEAS-PRO/EAS-ENTERPRISEは、IEEE 802.1Xを構築するためのソリューションで、マルチドメイン機能を搭載しているのが大きな特徴。中規模向けの「EAS-PRO」は、最大3ドメインまで対応可能となっている。さらに、大規模向けの「EAS-ENTERPRISE」では、ドメイン数無制限としているため、ユーザー数の大幅な増加にも容易に対応することができる。Netcube Technologiesのドン・ホユ社長は、「これによって、1台の認証サーバーで複数のユーザーデータベースへのアクセスをサポートすることができ、中堅および大規模企業において複雑化するアクセス管理を簡単に行えるようになる」と説明する。
また、ユーザーフレンドリーな管理画面を持つことに加え、IEEE 802.1X EAP-TLS認証用のルートCA機能を提供する点や、内部CAはVPNゲートウェイなどのX.509証明書を用いた認証を提供する点、RADIUSの標準ポリシーからベンダー固有の方式まで幅広くサポートする点も特徴。ポートHA(EAS-PRO)、デュアルHA(EAS-Enterprise)、複数の外部データベースの一覧表示が可能な点も強調できるという。
特に、直感的でわかりやすい管理画面を提供することで、「認証やセキュリティに関する高度な専門知識をもっていなくても、一般的なIT・ネットワークの知識さえがあれば、強固な認証システムの設定・運用が行えるようになった」(ホユ社長)という。
販売価格は、EAS-PROが65万8000円、EAS-Enterpriseが165万円から。販売目標は初年度50台。
■ URL
株式会社ディアイティ
http://www.dit.co.jp/
ニュースリリース
http://www.dit.co.jp/news/2007/2007_0605.html
( 唐沢 正和 )
2007/06/05 18:59
|