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LeakProofの利用イメージ
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LeakProof Server
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株式会社日立システムアンドサービス(以下、日立システム)と米Provillaは6月13日、販売代理店契約を締結したと発表した。これに伴い日立システムは、Provillaの情報漏えい防止ソリューション「LeakProof」を同日より販売開始する。
LeakProofは、企業内部からの情報漏えいを防止するためのソリューション。アプライアンスサーバーの「LeakProof Server」とクライアントソフト「LeakProof Agent」を組み合わせて、情報の持ち出しなど、企業のポリシーに違反する行動を制限する。LeakProofでは、機密情報が入っているファイルサーバーや共有フォルダをあらかじめLeakProof Serverへ登録しておくと、Provilla独自の技術「DataDNA」を用い、各ファイルの特徴を抽出した照合用のシグネチャファイルが作成される。その後、エンドユーザーが不正な持ち出しなどポリシーに違反する行為をした際に、このシグネチャを用いてリアルタイムで違反を検出、ブロックする仕組み。
例えば、ユーザーが機密情報ファイルの不正な持ち出しを行おうとした場合、機密ファイルと持ち出しファイルの特徴を比較して、持ち出し禁止かどうかを判断するため、ファイル名の変更や、キーワードの削除といった作業をファイルに行ったとしても、当該機密ファイルの特定が可能になっているという。
また、特徴点の抽出については、もとのファイルの容量にかかわらず約1KBの固定情報で管理されるため、ファイルサイズに依存しない迅速な処理を行える点も特徴だ。「ファイルサイズに従ってシグネチャが大きくなる競合製品と違って、クライアント側での照合時の負荷が小さく済むメリットがある」(日立システムのネットワーク・セキュリティソリューション本部 西條洋本部長)。なお照合時には、キーワード、文字列パターンによるチェックもサポートする。
持ち出し制御は、USBメモリや光学ドライブへの書き込みといったデバイス経由のものに加えて、HTTP/HTTPS/FTP/SMTPの各プロトコルを経由するものに対して行え、Webメールへのファイル添付やファイル転送ソフトによるアップロードなども制限できる。また、圧縮ファイルやPGPで暗号化されたファイルも照合可能で、LeakProofで対応していない暗号化技術などを用いたファイルは、すべて機密情報扱いとして検出することも可能という。さらに、LeakProof AgentがインストールされたPCにも機密情報ファイルの特徴データを持たせることで、オフライン環境での持ち出し制御継続を実現した。もちろん、LeakProof Agentのアンインストールをユーザーに禁止する運用も可能だ。
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日立システムのネットワーク・セキュリティソリューション本部 西條洋本部長
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ポリシーについては、機密扱いする期限や端末、デバイスの種類を細かく設定可能。西條本部長は、「企業全体ではなく、部門ごと、例えば新製品開発プロジェクトの中ではこういった運用をする、といった個別のルールを設定可能。バラエティに富んだポリシーを設定できる」と述べ、柔軟性をアピールした。
日立システムでは、この製品を単に販売するだけでなく、導入サービスや保守サポート、運用監視サービスなどを2008年初頭にかけて順次提供する。さらに、すでに持っている製品と組み合わせ、ソリューションとしての提供を進める考え。西條本部長はソリューション提供について、「MillemasseやラビニティECMといったドキュメント管理のソリューションとの組み合わせや、図面管理ソリューションとの組み合わせによる設計部門でのセキュリティ向上ソリューションなどを、順次提供していきたい」と語っている。
価格は、保守契約を含めた、25クライアントライセンス分の最小構成で約750万円から。同社では、3年間で関連ソリューションを含めて15億円の売り上げを見込む。なお、LeakProof Agentは、Windows XP/2000/Server 2003に対応する。
■ URL
株式会社日立システムアンドサービス
http://www.hitachi-system.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi-system.co.jp/press/2007/pr070613.html
( 石井 一志 )
2007/06/13 13:30
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