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クリアスウィフトがWebセキュリティアプライアンスを発売、統合的な防御を実現


MIMEsweeper Web Appliance

セールスマネージャーの篠原豊氏
 クリアスウィフト株式会社は7月18日、Webセキュリティアプライアンス「MIMEsweeper Web Appliance」を発表した。9月1日の販売開始を予定する。

 MIMEsweeper Web Applianceは、Webを介したコミュニケーションにおいて発生するリスクを低減するためのアプライアンス製品。セールスマネージャーの篠原豊氏は、日本ネットワークセキュリティ協会や自社が行った調査結果を引用し、「Web利用により発生するリスクは、例えば個人情報漏えいの場合、たった1年で6%から22%へと急増した。また、私用でブログやSNSなどのWeb 2.0的コンテンツへアクセスするユーザーは87%におよぶ」という状況を指摘。大企業を中心にURLフィルタリングが普及しているのにもかかわらず、いまだセキュリティ状況が好転しないのは、「人・組織に対するセキュリティ、またコンテンツ・情報という単位での対策が必要だ」と述べ、総合的なセキュリティソリューション導入の必要性を訴えた。

 そこで同製品では、コンテンツを精査して機密情報などが社外へ流出することを防ぐコンテンツフィルタ機能のほか、スパイウェア対策機能、ウイルス対策機能、URLフィルタリング機能、といった企業に必要なWebセキュリティ機能を一通り搭載した。篠原氏によれば、スパイウェア対策は米Aluria、ウイルス対策は露Kasperskyといったその分野の著名ベンダからOEMを受け、クリアスウィフトが提供する、実績のあるコンテンツフィルタとあわせることで、高い信頼性をユーザーに提供できるという。

 そのコンテンツフィルタ機能については、同社の主力製品であるメールセキュリティアプライアンス「MIMEsweeper Email Appliance」と同じエンジンを利用。長年のメールセキュリティ事業で培った強力なコンテンツ分析機能を利用して、テキストの内容分析はもちろんのこと、HTTPヘッダやさまざまなファイル形式・コンテンツ形式の識別に対応しており、企業のセキュリティポリシーに従った柔軟なコンテンツ制御を可能にしている。

 これによって例えば、Webメールの利用は許可しつつも個人情報・機密情報の入った文書のやりとりを禁止する、業務上必要な特定の部門以外は掲示板への書き込みを禁止する、といった運用を行えるという。またEmail Applianceと同様、他社製品の暗号化ソリューションとの連携もサポートしており、機密情報が含まれていると認識されたファイルを自動的に暗号化ソリューションへ転送してから外部へ送信させたり、暗号化されていないファイルの送信をブロックしたり、といった運用も可能だ。


ポリシー設定はグラフィカルなインターフェイスで直感的に行うことができる
 またクリアスウィフトでは、MIMEsweeper Web ApplianceとEmail Applianceと同時に利用すると、双方の管理インターフェイスを統合できるようにしている。「人や部門に関連づけたポリシーを、Web・メールの区別なく統合管理可能になる。コンテンツの違いを意識することなく、統制を効かせられる点がメリットだ」(篠原氏)。その設定作業にあたって、作業を容易に行える点も特徴で、日本語化されたWebインターフェイスからグラフィカルな設定メニューを操作すればよく、テンプレートも用意されているため、ユーザー・組織単位でのポリシー適用を簡単に行える。レポート機能についても多彩な機能を備え、さまざまなグラフ表示による直感的なわかりやすさを提供。管理者の負担を軽減するための、メールによる定期的な配信機能も搭載した。

 ラインアップとしては、ユーザー数に応じたリーズナブルモデルと、冗長構成に対応したエンタープライズモデルを用意する。前者は、最大250/500/1000ユーザーまでに制限される代わりに価格が安価に設定されており、最大250ユーザーまでの「CW250」で200万円(税別)から。後者では、1台あたり2500~3000ユーザーの大規模環境に対応するほか、8台までの統合管理をサポートする。


英ClearSwiftのプロダクト・マーケティング・ディレクター、アンディ・モリス氏
 なおクリアスウィフトでは、コミュニケーションツールとして利用が進んでいるIM(インスタントメッセージング)のセキュリティ対策製品についても、国内での販売を年内にも開始する予定。また既存製品の強化も随時行っており、管理機能における他社製品との連携強化や、フィンガープリント技術の導入を進めていくとのこと。フィンガープリントについては、「ファイル全体の識別に利用するだけでなく、切り貼りのような形で機密文書の一部が抜き出されてIMで送られても検知できるようにする」(英ClearSwiftのプロダクト・マーケティング・ディレクター、アンディ・モリス氏)としている。



URL
  クリアスウィフト株式会社
  http://www.clearswift.co.jp/

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  ・ 「包括的な情報保護を企業に提供したい」-クリアスウィフト(2006/11/28)


( 石井 一志 )
2007/07/18 15:33

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