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マカフィー、ホスト型とゲートウェイ型で補完しあう情報漏えい防止製品

機密データ本文の“部分コピー”も検出

 マカフィー株式会社は7月25日、機密データの漏えいを防止するソリューション「McAfee Data Loss Prevention(DLP)」を発表した。相互に補完するホスト型とゲートウェイ型の製品提供を予定しており、まずはゲートウェイ製品「McAfee DLP Gateway」を8月3日から販売開始する。ホスト型は秋ごろから販売開始する予定。


包括的に情報漏えいを防止するDLPソリューション

 DLPとは、機密データが会社の内部から外部へ流出することを防止するソリューション。あらかじめ機密データを定義しておくことで、当該データのメールによる外部への送信やリムーバブルメディアによる持ち出しを禁止する。その仕組みはホスト型とゲートウェイ型で若干異なっており、運用の仕方次第でどちらかを選択したり、あるいは両方使うことも可能。これにより、「もっとも包括的な情報漏えい対策」(マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 マーケティングスペシャリストの吉沢建哉氏)が実現するという。


マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 マーケティングスペシャリストの吉沢建哉氏 ホスト型とゲートウェイ型それぞれの保護範囲

外部デバイスも含めた細かい制御が可能なホスト型

ホスト型のアーキテクチャ。管理コンソールからタグを付け、エージェントが導入されたPCや携帯端末からのファイルの不正操作を制御
 ホスト型では、機密データにタグ付けを行うことによって保護を行う。つまり、機密データ自体に「機密ですよ」という名札を付けておくことで、不正にメール送信したり、外部デバイスにコピーしたりするのを防ぐというわけだ。この方式の特徴は、タグ付けられたあとにデータを偽装したとしても、「機密ですよ」ということを見分けられる点。「圧縮・暗号化したり、内容を少し変更してリネームしたりしても見分けられる」のは当然のことで、さらに他製品にはない優位点として「機密データ本文の一部だけを別ファイルにコピーした場合でも検出できる」(吉沢氏)という。

 タグ付けを行う方法は4種類。1)管理する共有フォルダを設定して、その中のファイルすべてにタグを付ける「ロケーションベース」、2)“社外秘”などあらかじめ定義したテキストと一致する内容を含むファイルにタグを付ける「コンテンツベース」、3)あらかじめ定義したアプリケーションから作られるファイルにタグを付ける「アプリケーションベース」、4)任意のファイルに個別にタグを付ける「マニュアルベース」といった方式が用意されている。

 ロケーションベースタグを例に取ると、新規ファイルを指定のフォルダに保存するだけで自動でタグ付けが行われ、逆に指定フォルダからデスクトップにコピーした場合もタグが保持される。こうしてタグを付けるだけで、機密データのメール送信、印刷、Web投稿/メール、外部デバイスへのコピーなどを制御することが可能。ユーザーが特に何かを意識することなく、快適に運用できる点も特徴の1つだ。

 しかし、ホスト型にはいくつか問題が存在する。まずは、対応OSがWindowsだけなため、Linuxなど非Windows OSの場合、利用することができない点。次に、管理したいクライアントPCすべてにエージェントを導入する必要があるため、管理台数が膨大であればそれだけ管理コストが増大してしまう点だ。そこでゲートウェイ型の出番となる。


ロケーションベースでタグ付けした場合、デスクトップにコピーしてもタグは保持される タグ付けられたファイルをメール送信しようとすると、検知してブロック タグ付けられたファイルの一部だけをコピーしても検知することが可能

ホスト型で制御しきれないものをゲートウェイ型でカバー

両方を導入した場合のアーキテクチャ。ゲートウェイ型は、インターネットの出口で、SMTPおよびHTTPによる機密データ漏えいを監視
 ゲートウェイ型は完全なエージェントレスであるため、管理台数に応じた管理コストというものは発生しない。また、ネットワーク上を流れる通信を監視して情報漏えいを防止するため、クライアントPCのOSが何であるかは一切関係ない。ならばゲートウェイ型だけで用が足りてしまうのではないかと思うが、通信を監視する手法を採るがゆえ、ゲートウェイ型ではSMTPおよびHTTPによる機密データの不正送信しか制御できないのだ(なお、コミットでないが、今後FTPやIMなどほかのプロトコルにも対応していく予定とのこと)。このカバー範囲の狭さを、逆にホスト型が補う形となる。

 機密データの漏えい防止を実現する仕組みとして、ゲートウェイ型では、タグ付けではなくデータの特徴を記録しておくことで実現。具体的には、特定のサーバー/フォルダを指定してその中にあるファイルすべてを40分割。それらすべてからフィンガープリントを作成し、その情報と一致するデータが外部に送信されようとした際に通信のシャットダウンを行う。


ゲートウェイ型は、アクセラレータ搭載・非搭載の2機種

ゲートウェイ型のラインアップと基本仕様
 今回、まず発表されたのはこのうちゲートウェイ型の方。ラインアップは、4000ノードまで対応する「DLP Gateway model 3300」と、6000ノードまで対応し、かつハードウェアベースのアクセラレータを搭載した「同 3400」の2種類。価格は同 3300が、ハードウェア+無期限ライセンス費用327万5000円(税別)、サポート費用135万円(同)/年。同 3400が、ハードウェア+無期限ライセンス費用455万円(税別)、サポート費用135万円(同)/年。

 なお、ホスト型は秋ごろの発表予定とのことで、価格などは未定。

 マカフィーでは、従業員数300名から5000名の企業を対象に、セキュリティ対策状況に応じてホスト型、ゲートウェイ型を組み合わせて提案していく方針とのこと。



URL
  マカフィー株式会社
  http://www.mcafee.com/japan/


( 川島 弘之 )
2007/07/25 17:37

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