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新しい脅威に対応した「ノートン・インターネットセキュリティ 2008」など

Web上でID情報を保護する新機能も

米Symantec、ノートン・インターネットセキュリティ担当 シニアプロダクトマネージャーのジョディ・ギブニー氏
 株式会社シマンテックは9月7日、インターネットの脅威を複合的に防ぐソフトの新版「ノートン・インターネットセキュリティ 2008(以下、NIS 2008)」と、アンチウイルスソフトの新版「ノートン・アンチウイルス 2008(以下、NAV 2008)」を発表した。同日からシマンテックストアにてダウンロード版の販売を開始する。パッケージ版の販売は9月21日から。

 発表会で登壇した米Symantec、ノートン・インターネットセキュリティ担当 シニアプロダクトマネージャーのジョディ・ギブニー氏は、「ユーザーの66%がPCの動作の重さにストレスを感じている」と前置きした上で、最初に新製品のパフォーマンスについて言及。2007版製品と比べて、「UI反応速度で22%、クイックスキャンで39%の高速化がなされた」と語った。

 引き続き、2008版製品での特に注力したポイントを説明。1)ボットネットやIFrameを利用したドライブダウンロードといった新たな脅威に対応すること、2)インターネット上でのユーザーのIDを保護すること、3)PCの枠を超えて新しいデバイスに対応すること、の3点を挙げた。

 パフォーマンスやGUIなど基本的な性能が向上されている2008版では、それ以外にもこの3点に対応するための新機能が多数追加されている。ここからは、NIS 2008とNAV 2008それぞれに実装された新機能を順に紹介しよう。


Nortonの新ロゴマーク 2007版よりもパフォーマンスを向上

“IFrameによるマルウェア拡散”にも対応するNIS 2008

インターネットセキュリティ 2008

NIS 2008の主な新機能
 インターネットではボットネットの脅威が年々拡大している。同社によれば、2006年上半期に比べ下半期では、アクティブなボット数が29%増加し、すでに600万台以上のPCがゾンビ化しているという。また、最近の新たな脅威として、「NpackなどのツールなどでIFrameを利用した攻撃が増えている。以前は、怪しいWebサイトにアクセスしなければWebブラウザ越しにマルウェアに感染する危険性も少なかったが、今では正規のWebサイトでも、感染する危険が出ている」(ギブニー氏)という。

 そこで役に立つのが、シグネチャの作成前でも悪意あるコードに対向できる「SONARテクノロジー」だ。NIS 2008では同テクノロジの中の「スマートファイアウォール機能」を強化。より確実に個人情報の流出を防止できるよう、未知のアプリケーションとの通信が発生するたびにフルスキャンを実行するようになった。また、ユーザーにファイアウォールに関する知識がなくても大丈夫なように、常時、環境設定を自動で行う機能強化も図られている。

 さらにWebブラウザの脆弱性対策として「Browser Defender機能」も追加。正規のWebサイトからマルウェアに感染してしまうような事態を防止できるようになっている。

 ID保護機能としては、「ノートンIDセーフ」が実装された。これはインターネット上で利用するユーザーのID情報を安全に保護するもので、パスワードのような重要な情報を暗号化して記憶するほか、オンラインショッピングサイトなどでID情報を利用する場合には、ワンクリックで自動入力することも可能だ。

 新しいデバイスへの対応としては、まず、ローカルネットワーク上の端末すべてを表示する「ネットワークマップ機能」が追加。そのうちノートン製品が導入された各端末については、総合的なシステムの状態、最終スキャン日時、保護情報の最終更新日時などが確認できるようになっている。NIS 2008では、ワイヤレスネットワーク環境でも同様にセキュリティ情報の確認が可能だ。

 シマンテックでは、スマートフォンやPDAを保護する「ノートン・スマートフォンセキュリティ」といった製品も提供を予定している。米国ではすでにパブリックベータ版が公開済みで、2007年秋には発表の予定となっている。こうした製品もいずれは統合していくような方針であるらしい。

 このほか、ヘルプ・サポート機能として「ワンクリックサポート機能」を実装。アプリケーション内に組み込まれたサポート機能として、ボタンをワンクリックするだけでよくあるトラブルが発生していないか診断できる。問題が発生している場合は、「チャット」「メール」「電話」のいずれかによるテクニカルサポートを、やはりボタンをワンクリックするだけで受けられるようにもなっている。自分で解決手段を探す「ステップ・バイ・ステップガイド」も備える。

 価格は、ダウンロード版が6300円、パッケージ版が8190円。いずれも、ライセンス当たり3台のPCまでインストールできるようになっている。


ノートンIDセーフの概要 ノートンIDセーフの設定画面 ネットワークマップ画面

ワンクリックサポートの開始画面 ワンクリックでトラブル診断

チャット、メール、電話のいずれかにより簡単にテクニカルサポートが受けられる ステップ・バイ・ステップガイドの画面

リスクが存在しているときの画面 注意のステータスが存在する時の画面 安全なときの画面。GUIは明確で分かりやすい

クイックスキャン後の画面 LiveUpdate進行中の画面 Browser Defender機能により、怪しいWebサイトが遮断された例

ビヘイビア分析やWebブラウザの保護が可能なNAV 2008

ノートン・アンチウイルス 2008

NAV 2008の主な新機能
 NAV 2008でも、同様に利便性、有効性、高速性が向上されている。特長は、NIS 2008のみに実装されていたアンチウイルス以外の機能も実装されている点で、スマートファイアウォール機能を含むSONARテクノロジがNAV 2008にも実装された。またNIS 2008と同様にBrowser Defender機能やネットワークマップ機能も、NAV 2008に組み込まれている。ただし、こちらは有線LANのみの情報しか表示できないという制限が付く。ワンクリックサポート機能も実装されている。

 また、LiveUpdateの性能が向上されており、シグネチャの更新やソフトウェアパッチの適用をバックグラウンドで実行できるようになったほか、ワーム対策技術が向上。高度なヒューリスティック技術によって、インターネット上で通信を試みる未知の脅威の検出、駆除が可能になっている。

 価格は、ダウンロード版が4935円、パッケージ版が6195円。いずれも、ライセンス当たり3台のPCまでインストールできるようになっている。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/jp/
  シマンテックストア
  http://www.symantecstore.jp/
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20070907_01


( 川島 弘之 )
2007/09/07 16:48

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