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富士通、マウス型の手のひら静脈認証装置－認証サーバーを使わないPCログイン環境を実現 |
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PCの個人認証は、IDやパスワードで行うことが一般的だったが、今回の新製品を利用することにより、手のひら静脈認証を行うことが可能になり、ユーザーの利便性向上とともに、強固なセキュリティを実現できる。 PCログインキットには、PCログイン認証ソフトウェアを標準で添付。これをPCへインストールすることで、認証サーバーを使わずに、PC単体での認証を可能とした。 認証ソフトへの登録には特別な知識は必要なく、画面に従って、Windowsログオン時のパスワードを入力。さらに両手の静脈データを2回ずつ登録し、PCを再起動するだけで利用が可能になる。登録後は、センサーに手をかざして本人認証すると、登録済みのID、パスワードを自動的に呼び出し、手入力なしでWindowsログオン、アプリケーションログオン、スクリーンセーバーやファイルパスワードのロック解除などができる。 さらに、新製品では、手のひらガイドをなくすとともに、照合処理の時間を約1.5秒と高速化して認証スピードを速めたほか、手をかざす際の距離や角度の許容度を向上させるなどの強化を行っている。 「従来はガイドに手を触れた形での認証方式としていたが、センサーの上で、手のひらを静止するだけで認証できる、自然な操作が可能になったほか、ガイドレスとすることで小型化も可能になった」（富士通 ビジネスインキュベーション本部プロジェクト統括部長の代居智彦氏）という。 用途や利用環境にあわせて選択できるように、マウスタイプとスタンダードタイプの2種類を用意。マウスタイプは、静脈認証機能のほか、そのままマウスとしての利用も可能。「現在使用しているマウスと交換して利用でき、認証するために別の装置を置くスペースを確保するといった必要がなくなる。世界で初めてマウスサイズのなかに静脈センサーを内蔵した製品」だという。 また、スタンダードタイプもガイドを無くしたことで、携帯性に優れたサイズとした。いずれの製品も、ブラック、ホワイト、グレーの3種類を用意している。
「PCのログインシステムとしては、指紋認証が主流とは考えているが、今後は認証精度が高く、適応率の高い静脈認証の採用が増加すると推測している」（代居氏）としており、PalmSecure全体で、2007年度には3万台、2008年度には7万台、2009年度には10万台の出荷を計画している。「現在は日本での需要が多いが、今後は、海外向けの出荷比率が1.5倍程度になるだろう」とした。 富士通 ビジネスインキュベーション本部長の神戸正利経営執行役は、「ビジネスインキュベーション本部は、富士通のなかにある独自技術を、事業化に結びつけることを目的に今年2月に発足した。ビジネスユニットの壁を越えるもの、あるいは先行投資が必要なものを育てていく部門。手のひら静脈認証のほかに、電子タグ、カラー電子ペーパー、インタラクティブ型の大型表示装置なども手がけている」と語る。 同社の静脈認証技術は、2004年10月に東京三菱UFJ銀行のATMに採用。現在では6000台の手のひら静脈認証機能を搭載ATMが導入されている。そのほか、海外でも公立学校の食堂でのキャッシュレスシステムとして手のひら静脈認証を利用したり、医療分野における外来患者の本人確認などに利用したりしている。また、個人情報保護法や内部統制の対応が求められる中で、社内システムへの不正アクセスや、なりすましの防止のために、本人認証が注目を集めており、企業への採用も相次いでいる。 「今後、基本性能のさらなる向上として、ガイドレス化の推進による完全非接触化や認証スピードの高速化といった認証エンジンの強化、また、屋外利用への対応、センサーの小型、軽量化のほか、独自OSへの対応などのマルチプラットフォーム化に取り組む。静脈認証に関しては、今後3年間で20億円の開発投資を計画している」（代居統括部長）としている。 ■ ＵＲＬ 富士通株式会社 http://jp.fujitsu.com/ 富士通フロンテック株式会社 http://www.frontech.fujitsu.com/ プレスリリース http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/09/11.html ■ 関連記事 ・ 富士通、小型化した「手のひら静脈」認証装置－サイズは従来の1/4（2006/03/09） ・ 富士通研究所、バイオメトリクス認証技術の体験会を開催（2006/08/25） ・ 第二回・富士通 バイオメトリクスこそ究極のユビキタスソリューション（2006/05/17）
（ 大河原 克行 ）
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