株式会社ジャストシステムは9月11日、総合セキュリティソフトの新版「Kaspersky Internet Security 7.0」、およびアンチウイルスソフトの新版「同 Anti-Virus 7.0」を発表した。9月14日から発売開始。旧版のユーザーに対しては本日より、「Kasperskyポータル」にて無償バージョンアップのダウンロード提供を開始する。
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Kaspersky Internet Security 7.0
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Kaspersky Anti-Virus 7.0
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パッケージに印刷された写真の人物は、ユージン・カスペルスキー氏
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■ 「セキュリティソフトは性能でこそ選ぶべき」-カスペルスキー氏
Kaspersky Internet Securityは、ウイルスやスパイウェアなどマルウェア対策機能のほか、ファイアウォール機能やスパム対策機能、侵入検知システムなどを備えた総合的なセキュリティソフト。新版では、GUIを直感的なものへと刷新したほか、新たなセキュリティ機能の追加や既存機能の強化が図られている。
発表会の冒頭では、元KGB暗号解析エキスパートで同製品の開発者であるユージン・カスペルスキー氏のコメントがビデオで紹介された。そこで同氏は「セキュリティソフトは性能でこそ選ぶべきだ」と発言。他社製品と比べて、特に「性能」に優れた製品であるとのメッセージを発信した。
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ユージン・カスペルスキー氏がビデオにてコメント。「直接日本で説明できなくて残念だが、9月15日・16日には来日する予定。そこで世界のセキュリティ情報など説明できたらいい」と述べた。15日には秋葉原と新宿のヨドバシカメラ、16日には大阪梅田のヨドバシカメラでデモを行う予定
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ビデオ中にはKaspersky Lab.を紹介するシーンも。その心臓部は、焦げ茶を基調としたオフィス
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新種ウイルスを24時間365日、三交代制で研究が行われている
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Kasperskyプロジェクトリーダーの横井太輔氏
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価格やイメージでなく性能重視。ジャストシステムが考える性能とは
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それを受けて登壇したKasperskyプロジェクトリーダーの横井太輔氏も、「イメージや価格ではなく性能を最優先にした製品、という選択肢をユーザーに提案したかった」と述べている。
では、ジャストシステムが考える性能とは何か。横井氏によると、「高性能なセキュリティエンジン」「瞬時に開発される亜種に対応すること」「クライアントPCへの負荷軽減」の3点だという。
「高性能なセキュリティエンジンというポイントとしては、すでに世界で170種類以上の賞を受賞していることがその証左。亜種への対応では、1週間当たり150の定義ファイルが更新されていることがすべてを物語っている。これは1時間に1回の更新ということで、その頻度はほかを圧倒している。このため新種ウイルスの平均対応時間も、他社が短くても5時間以上かかるのに対してKasperskyは約1時間半と非常に短い」と説明。
クライアントPCへの負荷軽減としては、CPUの分散処理、新規/更新ファイル・感染のおそれのあるファイルのみをオンデマンドにスキャンするなどの工夫がなされている。
■ ヒューリスティック検知機能を加え、3階層の「Triple Shield」を実現
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Kasperskyプロジェクト ビジネスオーナーの加納正喜氏
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セキュリティ機能をより詳細にみてみると、今回の新版では、あらゆる脅威に対抗するセキュリティエンジン「Triple Shield」にて、3階層の防御機構を実現しているのが特長だ。1つ目が、前述した約1時間に1回の頻度で更新される定義ファイルによるマルウェア防御。これには「ウイルス定義ファイルだけでなく、フィッシングサイト情報や危険なネットワーク情報なども含まれ、総合的にユーザーを保護することが可能」(Kasperskyプロジェクト ビジネスオーナーの加納正喜氏)という。
2つ目が、前バージョンの6.0から実装されている「プロアクティブディフェンス機能」による、悪意のある挙動に対する防御機構だ。PC上のプログラムを常時監視して、怪しい動作やレジストリの改ざんを停止・復元することが可能になる。
そして3つ目が、今回のバージョン7.0で実装された「ヒューリスティック検知機能」による、未知の脅威への対応である。定義ファイルで見つけられなかった未知のウイルスを、仮想環境でエミュレートして潜在的危険性を分析・駆除するこの機能によって、「脅威の複合化・複雑化により、1時間に1回定義ファイルを更新しても間に合わないような場合でも、安心してインターネットを利用できる環境を実現できる」(加納氏)。
なお、このヒューリスティック検知では、ルートキット検知およびキーロガー検知を行うこともできる。それ以外には、有害Webサイトへのアクセス制御を行う「ペアレンタルコントロール機能」や、Windows領域からのデータ盗難が防止できる「プライバシーコントロール機能」が追加されたほか、既存の侵入検知システムにおいても基本的な性能が向上されているとのこと。
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1st Shield。1時間1回更新される定義ファイルによる防御
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2nd Shield。悪意ある挙動を検知して停止するプロアクティブディフェンス
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3rd Shield。未知のウイルスをエミュレートして分析するヒューリスティック検知。7.0の新機能
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■ GUIを刷新、セキュリティ状況の把握がより直感的に
もう1つ、新版の特長としてGUIの刷新が挙げられる。設計方針は操作性や視認性を改善するということで、危険度に応じて色が変わる新インターフェイスが採用されている。
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完全スキャン画面
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定義ファイル更新などが遅れていると、画面上部のバーが「注意」を意味する黄色に変色
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脅威が発見された場合などは、「警告」を意味する赤色に変色
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■ 1ライセンスで3台の利用は現状不可、ユーザーの声を聞き検討中
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バージョン7.0の機能一覧
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価格は、Kaspersky Internet Security 7.0の通常版が1万2800円(税別)、他社セキュリティ対策ソフトやジャストシステム製品を利用している人を対象にした優待版が6800円(同)、今回新たにラインアップされた2ユーザー優待版が1万2800円(同)など。
同 Anti-Virus 7.0の通常版が8800円(同)、優待版が5800円(同)、2ユーザー優待版が8800円(同)など。
なお1ライセンスで3台まで利用できる最近の他社製品の動きについて、横井氏は、「現状は1ライセンス当たり1ユーザーまで。2ユーザー版を購入した場合は更新キーは2つ必要となる」と説明。今後対応するかについては、「現在ユーザーへのアンケートなどを行いながら、検討している段階」としている。
その上で、「優待版の価格も他社製品の動きに合わせて仕方なく設定したもの。本来Kaspersky製品の性能からすると、1万2800円が妥当な値段だと考えている」(横井氏)と説明。「価格ではなく性能を最優先に」というKasperskyのポリシーが、市場の状況からすると、なかなか思い通りにいかないものであるというような苦い思いもにじませていた。
■ URL
株式会社ジャストシステム
http://www.justsystem.co.jp/
Kaspersky情報Webサイト
http://www.just-kaspersky.jp/
キャンペーン情報Webサイト
http://www.just-kaspersky.jp/preview/trykaspe/
ニュースリリース
http://www.justsystem.co.jp/news/2007l/news/j09111.html
( 川島 弘之 )
2007/09/11 16:02
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