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NEC、“協調型セキュリティ”確立に向けた「InfoCage」新製品など

シマンテックとの協業なども発表

第一システムソフトウェア事業部長の森正氏

協調型セキュリティの製品ラインアップ
 日本電気株式会社(以下、NEC)は9月14日、企業向けセキュリティソリューションを強化すると発表した。新たに企業内セキュリティを統合管理する製品などを投入するとともに、シマンテックとのコンサルティング協業や新しいパートナー制度などを発表。これらはすべて2006年から同社が推進している「協調型セキュリティ」の確立に向けた施策となる。

 協調型セキュリティとは、企業内のセキュリティをエンドポイントごとに実現していくのではなく、PC、サーバー、ネットワーク、そこで扱われるファイルなどを包括的に保護しながら、かつそれらが相互に協調できる環境を実現しようというコンセプト。プラットフォームの保護から、業務アプリケーションや物理セキュリティなどまで企業に必要なセキュリティを一括して提供し、それらを中央管理するシステムで統括することで、さまざまなセキュリティインシデントに対応できる動的なセキュリティを実現する。

 実現するための製品としては、NECの「InfoCage」シリーズ、「WebSAM」シリーズのほか、パートナーと連携して他社製品も積極的に取り入れるのが特長で、「他社との連携で新しいシナジーを生み出していくことが欠かせない」(第一システムソフトウェア事業部長の森正氏)という。

 今回、新発売となるのは、中核の管理システム「InfoCage セキュリティリスク管理」、ファイルを保護する「InfoCage ファイルセキュリティ」、統合アクセス管理を行う「WebSAM SECUREMASTER/Enterprise Access Manager(以下、WebSAM EAM)」の3つ。併せて、統合ID管理を行う「WebSAM SECUREMASTER/Enterprise Identity Manager(以下、WebSAM EIM)」が強化された。

 これらにより「協調型セキュリティソリューションのすべてのラインアップが出そろったことになる」(森氏)。


 InfoCage セキュリティリスク管理の特長は、一目でセキュリティ状況が分かる管理画面。ここからシステムに未登録のPCを含め、全社のリソースを収集、現状の可視化が可能となる。さらに、クライアントPCにインストールされた「InfoCage Clientシリーズ」と“協調”してWinny起動禁止やUSBメモリ利用禁止などのポリシーを一斉に適用したり、「同 PC検疫」と“協調”してポリシー違反PCを隔離したり、「同 サーバ防御」と“協調”してポリシー違反PCはサーバーアクセスを禁止したりすることが可能だ。

 InfoCage ファイルセキュリティでは、NECの暗号技術とマイクロソフトのIRM(Information Rights Management)技術を融合。本来Office文書のみで適用させることが可能だったIRMを、「それ以外の文書にもワンクリックで適用可能。また、特定の暗号化ファイルに保存しているファイルや、外部メディアにコピーしようとしたファイルを自動でIRM適応させることもできる」(森氏)という。

 WebSAM EIMの強化ポイントとしては、日本企業独自のID管理ニーズに対応すべく、同一ユーザーの兼務用ロール設定を可能にしたほか、定期一斉人事異動に対応する機能が盛り込まれた。

 InfoCage セキュリティリスク管理が、218万円(税別)からで9月28日より提供開始。同 ファイルセキュリティが、1万1000円(同)からで10月29日より提供開始。WebSAM EAMが、235万円(同)からで10月15日より提供開始。WebSAM EIMが、150万円(同)からで10月15日より提供開始。


InfoCage セキュリティリスク管理 InfoCage ファイルセキュリティ WebSAM SECUREMASTER EIM/EAM

 シマンテックとの協業では、セキュリティコンサルティングの共同体制を整備。「NECの業務ノウハウとシマンテックの豊富なコンサルタント陣を組み合わせて、総合的なセキュリティコンサルティングから、ポリシーの策定、脆弱性診断などのサービスを提供する」(森氏)という。それに応じて、NECグループ内に2009年度までに専任のコンサルティングアドバイザ250名を養成する意向だ。

 また今回、NECのソフトウェアパートナー制度「InfoCage WORKS」にジュニパー、富士ゼロックス、マイクロソフトの3社が参入した。ジュニパーとの協業では、SSL-VPN接続時のPC検疫ソリューションを提供していく。同制度にはこのほか、トレンドマイクロ、アラクサラ、シスコ、コクヨなども参加しており、今回の3社を加えて全9社となった。さらに、同制度をさらに拡張して、販売店・SIer向けの「InfoCage WORKS for Solutions」制度を新設。販売パートナーなどとの関係強化も図っていくとしている。

 こうした施策のもと、事業目標としては「協調型セキュリティというコンセプトのデファクトスタンダード化をめざす。具体的な数字としては、今後3年間で関連ビジネス全体の売り上げを600億円にまで拡大していく」(森氏)とした。


シマンテックとの協業。セキュリティコンサルティングを強化 ジュニパーとの協業。両社製品を組み合わせて、SSL-VPN接続時のPC検疫を実現


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/japan/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://juniper.co.jp/
  富士ゼロックス株式会社
  http://www.fujixerox.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0709/1401.html

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( 川島 弘之 )
2007/09/14 16:11

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