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ウェブセンス、フィンガープリント技術を利用した情報漏えい対策ソフト


米Websense、セキュリティ製品担当シニア・ディレクターのデビン・レッドモンド氏

Websense Content Protection Suite v6.1の概要

利用時のネットワーク構成図
 ウェブセンス・ジャパン株式会社(以下、ウェブセンス)は10月23日、情報漏えい対策ソフトの新製品「Websense Content Protection Suite v6.1(以下、WCPS 6.1)」を発表した。同日から販売を開始する。

 WCPS 6.1は、社内データの検出・監視を行い、保護すべきデータには利用ポリシーを設定して、外部への漏えいを防止するソリューション。アンチウイルスなどを行う「Websense Web Security Suite」が外部からのセキュリティリスクに対応するものならば、WCPSは内部からのセキュリティリスクに対応するものとなる。

 「情報漏えいの経路としては、Webおよびネットワークからの流出がほとんど」(米Websense、セキュリティ製品担当シニア・ディレクターのデビン・レッドモンド氏)であることから、同製品では、「メール」「Webへのアップロード」「ネットワーク印刷」「インスタントメッセンジャー(IM)」4経路からの漏えい防止に対応。

 専用のサーバーをインターネット出口の手前に設置することで、機密情報が記述されたメールの外部への送信などを防止することが可能になる。そのためにはまず、社内の保護すべきデータを確認し、それぞれにポリシーを定義する。ポリシーは、機密情報のWeb書き込みやメールへのコピー&ペーストなどの制御を定義できるほか、個人情報保護法などの法令・ガイドラインに基づいたポリシーテンプレートを利用して設定することも可能とのこと。

 「例えば、クレジットカード番号のみが流出しても何の数字か分からない可能性があるが、氏名や住所と一緒に漏えいすることで、クレジットカード番号だと予想することがたやすくなってしまう。なので、例えば、これらの情報をメールで送信しようとしたりすると、危険度が高いものと認識して、厳格にメール送信を止めることができる」(同氏)。

 ポリシーを定義したら、実際に該当データが社内LANのどこに散在しているかを確認する「DISCOVER(発見)」作業に入る。管理用サーバーがファイルサーバーやPC端末を含むネットワーク全体をスキャンし、該当データを検出。このとき、CSVやデータベースといった構造化データだけでなく、CAD、一般文書、製品デザイン仕様書といった非構造化データを検出できるのが特長だ。検出が終わるとその結果を詳細にレポートする。

 データ検出の完了後は、「MONITOR(監視)」か「PROTECT(保護)」のいずれかのモードに入る。監視モードでは、ポート番号に関係なくプロトコルを検出し、メール、Web通信、ネットワーク印刷、IMごとに、該当する法令・深刻度といった条件別にインシデントをログに記録する。

 監視モードである程度、社内の状況がつかめたら、いよいよ実際に機密データの外部流出を防止する保護モードの出番だ。ここで特徴的なのが、保護データを認識するためにフィンガープリンティング技術「PreciseID」を利用する点。文書名やファイルタイプだけで認識するのではないため、より高精度に機密情報を認識できるほか、機密情報の一部のみをコピー&ペーストした場合も検出、外部への流出を防止することが可能という。


ウェブセンス、代表取締役の後藤聖治氏
 こうした技術により、「誰が、何を、どこに、どのように送っているかが明確に監視することが可能」(レッドモンド氏)とのこと。ただし、WCPSには外部メディアへの機密情報コピーなど、エンドポイントからの情報漏えいに関与することはできない。ウェブセンス、代表取締役の後藤聖治氏は、「この辺りは他社との協業、または販売パートナーのソリューションで補完したい」とした。

 参考価格は、1000ユーザー規模のネットワークで、700万円程度を想定。ウェブセンスでは、初年度100社への導入を見込む。特にCAD図面などを扱う企業への展開に注力していくとのこと。



URL
  ウェブセンス・ジャパン株式会社
  http://www.websense.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.websense.com/global/ja/PressRoom/PressReleases/PressReleaseDetail/?Release=0705221417


( 川島 弘之 )
2007/10/23 17:20

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