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ログ利活用の多彩さが魅力のネットワークセキュリティツール「LanScope Cat6」

Oracle Databaseを標準採用

LanScope Cat6

MOTEX、代表取締役社長の高木哲男氏
 エムオーテックス株式会社(以下、MOTEX)は1月17日、ネットワークセキュリティツールの新版「LanScope Cat6」を発表した。同日から販売を開始する。新版では、高まるセキュリティへのニーズを踏まえ、内部統制機能・情報漏えい対策機能を強化した点、およびOracle Databaseを標準採用した点が特長となる。

 LanScope Catは、ネットワークやセキュリティを管理・監視するためのツール。標準で「資産管理」「操作プロセス管理」「アプリケーション稼働管理」「プリントログ」「ファイル配布」といった機能が提供され、一元的なWebコンソールで管理できるのが特長。オプションで「Webアクセス監視」「デバイス制御」「サーバー監視」といった機能にも対応する。

 多彩な機能と使いやすさなどが評価され、「すでに63.8%のシェアを持つ」(MOTEX、代表取締役社長の高木哲男氏)同製品だが、新版ではさらに「アプリケーションID監査」「不正PC検知」オプションを追加したことで、内部統制や情報漏えいに対するより高度なソリューションへとグレードアップしている。

 アプリケーションID監査では、財務系アプリケーションのID・パスワード操作に関するログが取得可能に。Windows上で動作し標準APIを利用したアプリケーションであれば、アプリケーション側での改修を必要とせずに、同ツールを導入するだけでID・パスワードの統合管理が可能になるという。

 具体例を示そう。例えば、受発注システムにおいて、あるユーザーが不正にIDを新規作成し、無許可に管理者権限を付与した上で、この新規作成したIDで不正な操作をしたとする。LanScope Cat6では、このユーザーが誰なのか、どんなIDが新規作成され管理者権限が付与されたのか、それを使ってどのような不正操作を行ったか、問題特定のために必要なログが整理された状態で即座に確認できるのだ。

 不正な操作を行ったユーザーが特定できたら、このユーザーのログのみ抽出して表示したり、受発注システムにおける不正操作の履歴一覧を表示したり、部署ごとの状況を表示したり、さまざまな切り口でログをソートすることも可能。このログ機能の多面性が同製品の最大の特長といえる。

日本オラクル、常務執行役員 製品戦略統括本部長の三澤智光氏は「同様の製品はほかにもあるが、ここまでログを利活用できて、かつ使いやすいGUIを実現している製品は正直ほかに知らない」とエンドースメントを寄せている。


アプリケーション監査ポリシーの設定 アプリケーション監査の生ログ。ポリシーに違反する操作はすべて赤文字で表示されるので分かりやすい レポート機能を使えば、アプリケーションごとに不正操作の状況が即座に分かる。アイコン1つ1つが不正操作の内容を示している

「内田健太」というユーザーがIDを新規作成し、管理者権限を付与。そのID(架空担当者)を使って不正に操作している アプリケーションごとに毎日何件のポリシー違反が発生しているかという切り口でもレポートが可能 日本オラクル、常務執行役員 製品戦略統括本部長の三澤智光氏

 情報漏えい対策機能の強化点としては、ログ取得範囲を拡充。新たにブログや掲示板への投稿、Webブラウザからのファイルアップロードに関するログが取得できるようになった。クライアントPCの行動はもちろん、管理者の行動まで記録が可能で、あらゆる情報流出経路を網羅した監視が行えるとする。

 併せて、セキュリティを数値化する機能も搭載された。いまいち現状の伝えにくいセキュリティを数値で報告できるため、現場担当者から経営者まで、明確にセキュリティの“今”を把握することが可能になっている。なお、この数値が下がると、下げた部署・下げた原因の人名を表示することもできる。ここにもログを徹底的に利活用しようという意図がみえる。

 強化機能としてはこのほか、ファイルの完全トレースを実現している。例えば、人を指定するとその人が数カ月で操作したファイルを全トレースすることができる。また、重要なファイル名を指定すれば、そのファイルを誰がどのように操作したかもトレース可能だ。


セキュリティの数値化 最も数値を下げた「東京部署」のリンクをクリックすると、東京部署のポリシー違反の内容が一覧表示される 「uchida」というユーザーが、「顧客リスト」というファイルをローカルに保存し、「商品案内」に名前を変え、外部デバイスにコピーした様子を完全トレースしている

 もう1つ、新版の大きな特長となるのが、Oracle Databaseの標準採用だ。その意図を高木社長は次のように語る。「もともと中小を対象に始めた同製品も順調にシェアを上げ、大規模企業での利用も増えた。そこで問題となったのがデータベースのトラブルだ。これまでSQL Serverを使っていたが、性能通りに動かない、新しい機能を実現できないといったほか、ライセンスの問題などから、Catユーザーからクレームを多く頂くようになっていた。同製品の生命線は、大量なログを保存するデータベースにある。その信頼性を向上するために、今回Oracle Databaseの標準採用に踏み切った」。

 その決断に謝意を述べつつ、三澤本部長も「これは日本オラクルにとっても大きな意味がある。もともと大企業を相手にしていた当社でも、中堅・中小向けにオラクル都市伝説キャンペーンを実施し、市場の拡大を図っているところ。今回のMOTEXとの協業はその1つの成果といえる。技術連携による製品の品質向上はもちろんのこと、クライアントセキュリティのMOTEXとサーバーセキュリティの日本オラクル、また、中堅・中小に強いMOTEXと大企業に強い日本オラクルが手を結ぶことで、マーケット拡大の相互補完ができるだろう」と思いを述べた。

 MOTEXではLanScope Cat6について、2008年中に250万クライアントへの出荷、52億円の売り上げをめざす。



URL
  エムオーテックス株式会社
  http://www.motex.co.jp/
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  製品専用ページ
  http://www.motex.co.jp/cat6/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1832


( 川島 弘之 )
2008/01/17 15:27

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