|
社長兼CEOのエバ・チェン氏(左)と日本代表の大三川彰彦氏(右)
|
|
Expert on Guardの概要
|
トレンドマイクロ株式会社は2月15日、企業ユーザーのウイルス対策状況を監視するリモートサービス「Expert on Guard」を発表した。同社が日本国内に設置しているウイルス解析/サポートセンター「リージョナルトレンドラボ」などが、24時間365日体制でリモートモニタリングを実施するという。提供開始は3月1日からの予定。
Expert on Guardは、トレンドマイクロがユーザーのウイルス対策状況をリモート監視するとともに、感染の予防策を提供するサービス。リージョナルトレンドラボ内に設置する「Trend Micro Monitoring Operation Center」(TMOC)を中心に、米国やほかの地域のトレンドラボと連携し、24時間365日体制でのサービス提供を可能にしたという。「リージョナルトレンドラボで蓄積された専門性とナレッジをサービスという形で展開する」と述べた日本代表の大三川彰彦氏は、「モニタリングをベースとして、感染発生時の対応を早期に実施して被害拡大を防止する」とこのサービスのメリットを説明した。
具体的には、ユーザー環境でウイルス感染が発生した場合に、それを迅速に通知。同時に、感染が確認されたウイルスの対応手順も連絡し、感染の拡大防止を図る。また、感染が疑われるファイルが発見された場合もユーザーへ通知を行うとのことで、ユーザーはそのファイルをTMOCへ送付して、解析を依頼することも可能だ。さらに、最上位の「Premium」では、ユーザー環境で感染被害を確認した際に、ウイルス駆除ツールをユーザーからの依頼に先駆けて作成・提供するサービスが含まれており、プロアクティブな対策が可能になるとしている。
あわせてこのサービスでは、感染が増加傾向にあるウイルスや危険性の高いウイルスの情報を提供し、注意を喚起するほか、ユーザー環境における、最新のパターンファイルが適用されていないPCの台数もチェックしており、その台数があらかじめ設定したしきい値を超えた場合も、ユーザーへ通知する。加えて、ユーザーごとのウイルス発生状況の月次レポートを提出するとともに、監視結果を踏まえて、セキュリティレベルの向上に必要なコメントを個別に記載し、今後のウイルス感染被害の予防策を提案する四半期ごとのレポートを提出。「それぞれの顧客の特性を踏まえて情報提供を行い、感染を予防する」(大三川氏)という。
|
トレンドマイクロのサービス戦略
|
参考価格は、「Expert on Guard-Standard」が年間278万円(税別、1000~1499クライアントの場合)、「Expert on Guard-Premium」が年間589万円(同)。後者の契約にあたっては「トレンドマイクロプレミアムサポート(TPS)」の契約が必須で、参考価格には「TPS Gold」の年間費用も含まれている。また下位版として、サービス内容を限定し、サービス提供時間を平日営業日の9~17時に限定した「Expert on Guard-Basic」もラインアップされ、こちらの価格は年間198万円(税別、1000~1499クライアントの場合)となっている。
なおトレンドマイクロでは、このようなサービスの提供を他社との差別化につなげたい考えで、今後もサービス製品の拡充を図る意向。大三川氏が明らかにしたところでは、「自己免疫型ソリューション」を2008年第2四半期に提供開始するほか、ユーザー社内でのエクスパート育成を支援する教育サービスや、コンサルティングサービスなども提供を計画しており、同氏は「今後3年間で事業の柱になるよう、投資を継続していく」と述べた。
ただし、セキュリティに敏感になっている今の企業に対して、サービス提供を拡大するにあたっては、セキュリティベンダーとしての信頼感をよりいっそう醸成していく必要があるだろう。折しもトレンドマイクロは2月13日に、ウイルス対策ソフトでパターンファイル関連のトラブルを起こしてしまったばかり。信頼されるパートナーとして企業に意識してもらうためには、これまで以上の厳格な品質管理が求められるところだ。
■ URL
トレンドマイクロ株式会社
http://www.trendmicro.co.jp/
ニュースリリース
http://jp.trendmicro.com/jp/about/news/pr/article/20080214113708.html
( 石井 一志 )
2008/02/15 16:01
|