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ALSI、情報漏えい・内部統制対策などを強化したWebフィルタソフト新版


代表取締役社長の麻地徳男氏

フィルタリングソフトに対する市場ニーズの変遷
 アルプスシステムインテグレーション株式会社(ALSI)は2月19日、Webフィルタリングソフト「InterSafe」の新版「同 Ver6.0」、およびClient Any Time Securityをうたう新製品「InterSafe CATS」を、3月19日より販売開始すると発表した。

 発売に先立って開催された製品発表会では、2007年7月に代表取締役社長に就任した麻地徳男氏があいさつし、「InterSafeは、当社が1997年にURLフィルタリングを日本で初めて事業化し、2000年から販売開始している国産のWebフィルタリングソフト。発売以来、有害なサイトから子供たちを守るとともに、企業での業務上不必要なサイトを規制したいというニーズに応え続け、現在約400万ライセンス以上の導入実績をもっている。今回発表する最新版では、リスクマネジメントを開発コンセプトとして、企業や学校などでニーズが高まっている情報漏えい対策や私的利用対策の機能を強化するとともに、今年から施行される内部統制にも対応できる機能を搭載した。今後、URLフィルタリング市場は、学校、企業、家庭、さらには携帯電話へと拡大し、情報セキュリティ対策の強化も急速に進むものとみている。当社では、インターナルセキュリティをキーワードに、今後もInterSafeを中心とした情報セキュリティ製品をさらに充実させていきたい」と意欲を述べた。

 InterSafe Ver6.0の主な機能強化ポイントは、1)情報漏えい対策の強化、2)内部統制対応機能の強化、3)管理機能の強化、の3点。情報漏えい対策の強化としては、SNSやブログなどWeb経由での情報漏えいが増加していることに対応し、「SNS・ブログ」カテゴリを従来カテゴリの「掲示板・IT掲示板」から分離することで、Web 2.0カテゴリを細分化。さらに「動画配信」「翻訳サイト」を新たに追加し、ユーザー設定10カテゴリを含め、カテゴリ数を全86カテゴリまで増強している。


InterSafeによるリスクマネジメントの提案 URLフィルタリングを導入している理由

InterSafe Ver6.0のポリシーチェック機能
 また、添付ファイル(マルチパートリクエスト)を規制し、Webメール経由でのファイル送信を制限する機能や、HTTPSサイトをURL単位で規制する機能を搭載するほか、私的利用対策の強化として、検索エンジンや掲示板、Webメールなどに入力したキーワードと管理者が事前に登録したキーワードが一致した場合、利用を規制できる機能も追加している。

 内部統制対応機能の強化では、ポリシーチェック機能「Access Management View(AMV)」によって、書き込み可能なポリシーが適用されているカテゴリを一覧表示することが可能となり、設定情報の「見える化」を実現。さらに、グループ管理者がポリシーを変更した際、システム管理者に設定変更を通知できるほか、ユーザーが規制サイトのアクセスを許可申請する際に、上司などシステム管理者以外にも同時に申請することが可能となった。

 管理機能の強化としては、ログレポートツール「LogLyzer」に新機能を追加。ログ検索機能「LogLyzer Search」によって、日時やユーザーなど、アクセスログや書き込みログの複合検索が可能となり、情報漏えいの原因となるユーザーを特定したり、該当するユーザーのアクセス履歴を検証して情報漏えいのルートまで分析したりできるようにしている。また、複数のLDAPサーバーと連携してアカウント認証を行えるため、冗長化構成のドメインコントローラやグループ企業などの複数ドメインといった、大規模環境にも対応できるようになった。


セキュリティソリューション部事業推進課の本田規克課長

InterSafe CATSのサービスイメージ
 同時発売する新製品のInterSafe CATSは、社外での利用時におけるインターネットアクセス管理を実現するソフトウェア。「これによって、社外への持ち出しPCやサーバーのないSOHO環境、ネットワークがつながっていない関連企業やサテライトオフィスなどからの、Webアクセス経由での情報漏えいを防止することができる」(セキュリティソリューション部事業推進課の本田規克課長)という。

 具体的な機能としては、社外からインターネットにアクセスする際、Lookupサーバーからフィルタリングの設定内容を参照することで、社内のポリシーと同様のセキュアな環境を実現。すでに、社内でWebフィルタリングソフトを利用している場合でも、同製品をクライアントPCに導入することで、社外の情報漏えい対策が可能となる。

 また、ファイル共有ソフトやメッセンジャー、Winnyなどをあらかじめ指定しておけば、プログラムを起動しても通信規制を行うことができるため、これらのツールを利用した社外での情報漏えいを強固に防止する。さらに、インターネット上の管理サーバーから、グループユーザー管理、およびフィルタリングの設定を行うことによって、社外でインターネットを利用する場合でも、フィルタリング設定をリアルタイムに更新することができる。

 同社では、InterSafe Ver6.0については企業、官公庁、自治体、教育機関などへ、またInterSafe CATSについては小規模オフィス、サテライトオフィス、社外でのインターネット利用者などをターゲットに拡販展開していく方針で、InterSafeシリーズ合計で初年度30億円、累計500万クライアントの販売を目指すとしている。



URL
  アルプスシステムインテグレーション株式会社
  http://www.alsi.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.alsi.co.jp/news/is_080219.html


( 唐沢 正和 )
2008/02/19 18:52

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