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手のひらサイズのUSB型データ完全消去ツール「DataSweeper Handy」

消去中に取り外して、使い回しが可能

データプロテクション事業部 営業部の岸光男次長
 アドバンスデザイン株式会社は3月25日、企業向けのデータ完全消去ツールとして、USBデバイス型「DataSweeper Handy」、およびクライアント・サーバー型「DataSweeper Enterprise」を発表した。同日から販売を開始する。

 DataSweeper Handyは、手のひらサイズのUSB起動型データ消去ツール。幅84×奥行き89×厚さ12mm、重さ100gのデバイスを気軽に持ち運び、USBブートに対応するPCで簡単にHDDのデータを消去できるのが特徴。同社によれば「持ち運びができ、USB起動するデータ消去ツールは世界初」という。USB 2.0/1.1に対応し、USBバスパワーで駆動する。

 主に大量のPCを保有する企業や、PCのリサイクル販売などを行う専門業者を対象にした製品で、「プロフェッショナルユースを考慮した特許レベルの技術も含め、多数の特徴を備えている」(データプロテクション事業部 営業部の岸光男次長)。

 まずUSB接続・起動が可能で、AT互換機ならばOSの種類や有無を問わずにデータ消去が可能。USBブートに対応していないPCでは、付属のCD/FDからの起動にも対応する。DataSweeper Handy自体にはLinuxを搭載することで、使い勝手のよいUIを実現しているという。

 消去はHDD単位・パーティション単位から選べ、消去方式としては米国国家安全保障局(NSA)方式、米国国防省(DoD5220.22-M)方式、米国コンピュータセキュリティセンター方式など、世界の13規格に準拠。米国のIT検証機関であるNSTLの検証の結果、“同製品を使用すればデータの復元は不可能”とのお墨付きをもらっているという。


持ち運び可能な手のひらサイズを実現 データ消去方式としては、世界の全13規格に準拠 消去スピードも優れるという

データ消去したPCを再起動した様子。DataSweeperを使って消去したと確認できるほか、システム情報も確認できる
 こうした基本的な技術のほかに、プロユースに対応する特許レベルの技術が2つあり、それが同製品を強く特徴づけている。

 1つ目が、消去ログの記録技術。データ消去を行うと、同製品自体にCSV形式のログが保存されるのだが、それとは別に消去したHDD自体にもログを残すことが可能という。通常、HDD内を完全消去すると、再起動をかけてもBIOSプロンプトで止まってしまい、その原因がHDDにデータが入っていないためか、物理的に故障しているためかを手軽に判別するすべはない。しかし同製品では“データを消去した”という記録がBIOSプロンプトに表示されるため、こうした判別が可能になっている。「故障しているものも含め、大量の空PCを扱うリサイクル業者などにとって親切な機能だ」(岸次長)。現在、特許出願中という。


 2つ目が、独自のUSB再接続設計だ。こうしたUSB型のデータ消去ツールでは、「通常、データ消去が完了するまでPCに接続したままにしておく必要がある。そのため消去対象のPCが大量にある場合、ツールを複数個用意するか、もしくは時間をかけて1台1台消去を行わなければならなかった」(岸次長)。しかし同製品では、データ消去プログラムを開始したあと、実際にデータを消去している最中に取り外せてしまうのだ。

 取り外したからといって消去プログラムが停止することはなく、もちろん取り外したDataSweeper Handyを別のPCに接続して利用することも可能。消去ログは、消去が完了したあとに再接続すれば取得できる。これも大量のデータを消去する事業者などにとっては、ありがたい機能といえる。こちらも特許出願中だ。

 価格は、DataSweeper Handy本体が2万9800円(税別)、消去ライセンスが600円(同)。このライセンス1つでPC1台を1回消去することが可能。PC内に複数のHDDが入っている場合も、1ライセンスですべて消去できるとのこと。なお、消去ライセンスはボリュームディスカウントに対応する。


OxOO書き込みによるデータ消去中の画面。この最中にDataSweeper Handyを取り外しても消去が継続される 消去を行う前に各種設定も可能 データ消去が完了した際に接続されていないと、再接続を促す画面が表示される

DataSweeper Enterpriseの概要
 一方のDataSweeper Enterpriseは、DataSweeperプログラムを配信・管理するサーバーを設置して、LAN経由での消去に対応する製品。利用環境に合わせてカスタマイズされたサーバーに加え、消去ライセンスを管理するツールなども提供され、消去ログの完全一元管理などのメリットが得られる。

 価格は、利用環境に応じて個別見積もり。

 拡販は、直接販売のほか、シーゲイトの100%子会社・シーゲイトリカバリーサービス(以下、シーゲイトRS)との協業により行っていく方針。岸次長によると「シーゲイトRSではデータ復旧サービスを世界規模で展開している。アドバンスデザインがこのサービスの日本受付窓口となり、アジアにおけるデータ復旧を担当。代わりにシーゲイトRSの世界的販売網を通じてDataSweeper Handyを販売することで合意している」とのこと。

 これによりアドバンスデザインでは、2008年にDataSweeper Handyと同 Enterprise合わせて、アジア地域で2000セット/120万ライセンス、全世界で5000セット/250万ライセンスの販売をめざすとしている。



URL
  アドバンスデザイン株式会社
  http://www.a-d.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.a-d.com/pr/2008/20080325.html


( 川島 弘之 )
2008/03/25 15:50

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