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MBSD 営業部の営業部長、東定治氏
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ITC-Expressでは、内部統制作業の中の、不備改善の部分に特化して支援を提供する
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ITC-Expressのサービス概要
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三井物産セキュアディレクション株式会社(以下、MBSD)は4月1日、内部統制支援サービスにおいて、IT統制の不備改善に特化したサービスメニュー「ITC-Express」を新たに設け、提供を開始すると発表した。
いよいよ、4月から日本版SOX法の本番適用がスタートし、国内の上場企業に対して、内部統制の整備が求められるようになった。しかし、MBSD 営業部の営業部長、東定治氏は「業務処理系の統制では対応が進んでいるものの、IT系の統制はすぐできると後回しにされていることが多い」との現状を指摘。このままでは、本番監査までにすべての重要な欠陥が解消できないのではないか、と警鐘を鳴らす。
それは、整備状況のテストを行って評価が出たとしても、それをどう具体的に改善していくかという改善策にうまくつなげていけない企業が多いからだという。また時間も、最長で1年という限られた期間しかなく、場当たり的な対応では間に合わない可能性が高い。そこでMBSDでは、このような企業を支援するため、特に要望が多かった不備改善フェーズの支援に特化したサービスを用意したという。
ITC-Expressではまず、顧客企業が行ったテストの評価結果、規定、リスクコントロールマトリクス(RCM)といったアウトプットを総合的に分析して、課題を抽出。そこから出てきた課題に対し、重大なものから順に整備できるよう優先順位を付けていく。「お客様は、不備のレベルの判断がつかずに迷われることが多い。当社では、親会社である三井物産の米SOX法対応を支援してきた経験・ノウハウが蓄積されており、これを生かせば、対応すべき課題を絞り込むことが可能になる」(東定氏)。
また、こうして明らかになった課題の改善を支援するサービスも用意した。具体的には、OSやデータベース、アプリケーションのアクセスログを収集・分析する「ログレポート支援サービス」、ITILプロセスを用いて開発・運用の変更管理などを改善する「ITSMプロセス導入支援サービス」、日本版SOX法対応後を見据え、ITを経営の中でどう生かしていくかという方針作りの支援を行う「IT戦略策定支援サービス」を提供する。このうちログレポート支援サービスでは、そもそもどういったログを取得すればいいかという指導から、ログのレビュー、監査法人が見られるようなレポートへの変換まで、トータルで支援を実施。今後は、月次レポートの提供などアウトソーシングサービスとしての提供も計画している。
さらに、「経理系の規定は整っていても、ITの規程が不十分なことが多い」(東定氏)ことから、規定上の不備の分析と改善案を提示する「IT統制規定整備サービス」もラインアップした。規定を変更する場合、関連するほかの規定についても変更の必要が生じる場合があるため、このサービスでは、内部統制を意識して体系化されたテンプレートを用い、最小限度の変更で済むように支援するという。また、「その企業単体での規定だけでなく、グループ会社への展開を意識して、そのひな形となるグループ規定を策定したいとの要望も多い」(東定氏)とのことで、そうした要望にも対応できるとした。
MBSDでは昨今、製品販売が中心だった事業体制をあらため、より上流を担当するコンサルティングリソースの強化に力を入れてきた背景があるが、現在、内部統制分野では需要が多く、すべての要望に対応しきれていないという。そこで、ある程度テンプレートを適用できるサービスとして提供することにより、不足しがちな同分野でのリソースを補完したい考えで、ITC-Expressについては、1年間に5億円の売り上げを見込んでいる。
■ URL
三井物産セキュアディレクション株式会社
http://www.mbsd.jp/
ニュースリリース
http://www.mbsd.jp/newsrelease/pressrelease_20080401-02.html
( 石井 一志 )
2008/04/01 15:44
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