Enterprise Watch
最新ニュース

トレンドマイクロ、企業向け情報漏えい対策市場に本格参入

第一弾製品「LeakProof」を発表

専用アプライアンスの「LeakProof DataDNAサーバ」
 トレンドマイクロ株式会社は4月14日、企業向け情報漏えい対策市場に本格参入し、第一弾製品としてクライアントPCからの情報漏えいを防止する「Trend Micro LeakProof 3.0」(以下、LeakProof)を5月30日から出荷開始することを発表した。

 LeakProofは、昨年10月に買収した米Provilla社の情報漏えい対策技術を搭載したトレンドマイクロ初の企業向け情報漏えい対策専用製品。管理サーバーである専用アプライアンスの「LeakProof DataDNAサーバ」(以下、LeakProofサーバ)と、クライアントPC上の監視ソフトウェア「LeakProof Anti-Leakクライアント」(以下、LeakProofクライアント)で構成され、サーバー管理によりクライアントPCから機密情報の持ち出しを規制する。

 マーケティングプログラムマネージャーの小林伸二氏は、企業向け情報漏えい市場に参入する背景について、「情報漏えい事件は現在も後を絶たないが、その原因は外部理由よりも内部理由であるケースが8割を占めている。こうした現状のなかで、今後は外部からの侵入対策だけでなく、内部からの情報漏えい対策も必要不可欠になってくるだろう」と述べた。そして、今、情報漏えい対策製品に求められている要素として、1)1つの製品であらゆる情報漏えいリスクを最小化できる、2)簡単に利用でき、守りたいものだけを守れるソリューション、3)従業員の運用に頼らず、管理者が安心できる強制力のあるソリューション、の3点を挙げ、「LeakProofは、他社の情報漏えい対策ソリューションと比べて、これらのニーズをすべてカバーできる機能を備えている」と説明した。


マーケティングプログラムマネージャーの小林伸二氏 既存の主な情報漏えい対策ソリューションとの比較

 具体的な機能としては、持ち出し規制の対象となるファイルを指定して、軽量(1KB)のフィンガープリントを作成し、ファイル固有の特徴を識別する。フィンガープリントには、機密情報を正確に検出する独自技術「DataDNA技術」が利用されており、拡張子やファイル名を変更したり、文書ファイルの情報の一部を切り出したり編集した場合でも規制ファイルを検出し、機密情報の漏えいを防止することができる。

 フィンガープリントが作成された機密情報や持ち出し禁止ファイルは、USBメモリやCD/DVDなどの外部媒体へのファイル書き込みを始め、メールへの添付、Webメールを利用した送信などインターネット経由での流出もリアルタイムで規制することが可能。規制対象となるファイルタイプは、Word、Excel、PowerPoint、一太郎、PDFなどのドキュメントファイルからZIP、TAR、LZHといった圧縮ファイル、C/C++、Java、実行ファイルなどの開発情報まで300以上の多種多様な出力形式、フォーマットをサポートしている。

 また、指定された機密情報のみ流出を規制することができ、セキュリティ対策のためにUSBメモリなど外部媒体の使用を全面禁止するといった業務の生産性低下を防ぐことができる点も大きな特徴。社外に持ち出した場合には、オフラインの状態でもLeakProofクライアントが動作しているため、フィンガープリントを検出して情報漏えいを規制することができる。

 さらに、今回トレンドマイクロから発売される最新版の「バージョン3.0」では、これらの機能に加えて、「ファイルを暗号化して機密情報を外部媒体にコピー可能」、「プリントスクリーン機能の禁止」、「クライアントPCの社外持ち出し時の規制ルールが設定可能」、「持ち出し警告画面のカスタマイズ機能」などの新機能を搭載し、さらなる業務効率の向上と情報保護を可能としている。


LeakProof 3.0の特徴 機密情報を正確に検出するDataDNA技術 多くの出力形式、フォーマットを監視

プロダクトマーケティングマネージャーの横川典子氏
 プロダクトマーケティングマネージャーの横川典子氏は、「すべての情報を持ち出し禁止にするのではなく、保護すべき機密情報のみを規制し、持ち出せる情報は暗号化して持ち出しを許可するといったメリハリのある情報運用を実現することで、情報漏えい対策にともなう生産性低下を防止する。また、既存の業務フローを大きく変更することなく導入できるため、実際に利用するユーザーには意識させずに運用することが可能で、機密情報をうっかりメールに添付してしまったり、持ち出そうとした場合に教育的アラートを表示して管理者からのメッセージや企業ポリシーのURLを伝えることで、情報漏えいに対する意識向上を図ることができる」と、LeakProofの導入メリットを説明した。

 価格は、最大1000クライアントまで対応のLeakProofサーバ「LP-100」が137万5000円、最大2500クライアントまで対応の「LP-500」が220万円。LeakProofクライアントのライセンス価格は、アカウント数に応じて割引料金が適用されるボリュームディスカウント制を採用し、参考価格は、5クライアントの場合9万3000円(1クライアントあたり1万8600円)、100クライアントの場合150万円(1クライアントあたり1万5000円)となる。今後1年間で3億円の販売を目指す。

 なお、同社では、企業向け情報漏えい対策市場でのスタートダッシュを図るため、「LeakProofお試しキャンペーン」を9月30日まで実施する。キャンペーン期間中は、「LP-100」1台と100クライアントライセンスをセットした「LeakProofお試しパック」(通常価格287万5000円)を約66%OFFの98万円で提供する。



URL
  トレンドマイクロ株式会社
  http://www.trendmicro.co.jp/
  ニュースリリース
  http://jp.trendmicro.com/jp/about/news/pr/article/20080414025101.html


( 唐沢 正和 )
2008/04/14 15:54

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.